近所のかずくん
起業をするにあたり色んな所のサイトを眺めていた時どこかで見かけた言葉、
一番つらいと思うことを克服しておけば起業して辛い時もあれを乗り越えられたんだからきっと大丈夫と思えるようになる。
って一言を見かけたのは去年の初めの頃か。会社法人にしたのは夏頃ですがその前に個人事業主としてちょこっと事業をしてみたんです。その頃のことでした。
自己啓発の類ってあまり得意ではないのですが、せっかく何かやるんだったらたしかに一番つらいと思うことを片付けておけばそれを糧にできるよなって思いました。思い立ったが吉日って事で早速始めたわけです、禁煙を。
煙草を嗜む人にとって禁煙が一番つらいことですよね。わたしの性格上、禁煙外来とか他の手を借りて禁煙を行うと煙草なんていつでもやめれるから~と甘えてしまいそうなのでバッサリと煙草を断つ方法で禁煙をしてみました。
これがまぁ、この体はこんなにもニコチンに毒されていたのかってくらい襲ってくる喫煙要求と突然の睡魔。日常のルーチン、朝起きた時や食事の後、車の運転中なんかに強烈に見舞われる煙草吸いたい病。もう起きてるのが辛いので、夜になれば安いウイスキーをラッパ飲みして気絶するように寝てました。
そんな事を一日、また一日と繰り返して段々とニコチンを求める頻度が少なくなってきました。もう一年くらい禁煙をしていますが、このぐらい時間が経ってもたまにふと煙草吸いたいなぁとか煙草を吸ってしまった夢なんかを見ます。別に今でも煙草のことは嫌いではないので余命宣告されたらまた吸い出そうと思っています。
このような感じで一番苦手な禁煙は今の所無事に成功しているのですが、禁煙が3ヶ月も経った頃ふともうひとつくらい苦手なことを克服しておけばいいんじゃないか。なんて思い出しました。つまり苦手なことに心当たりがあったのです。30代になってからほとんど行っていない、運動…
20代も30代と同じく営業のお仕事でしたが結構体を動かしたりしていたのです。30代の営業マン時代はほぼ体を動かすことがなく、お酒の席も増えたりで体重はうなぎのぼり。今じゃ健康診断で要経過観察が並ぶギリギリセーフくらいの体になってしまいました。ところが運動って何かきっかけが無いとまず行わないんですよね、元々そんな体動かすのが好きじゃなかったし。
禁煙もとりあえずうまく言ってるし、これを機会に運動でも、でもなにをやればいいかなぁって思っていた時に出てくるのが近所のかずくんなのです。
近所のかずくん。出会いがまた特殊なんです。先にまともに会話したのはかずくんの奥様の方でした。もう結構昔の話なのですが近所の集まりか何かの時に、奥様がなんかすごい困った顔してまわりの人にどうしたらいい?なんて聞いていたんです。どうしたんだろうと思っていると、なんでも子供の暇つぶしのためにスマートフォンを貸したらパスワードを突破してゲームに課金していたとの事。その額なんとびっくり8万円。
ゲームの提供元にコンタクトするも子供がパスワード突破するわけ無いでしょうと相手にされずどうしよう…なんて奥様は言ってました。して、調度その時今でも人気スマホアプリのモンスターストライク通称モンストの返金騒動なんて事件がありまして、わたしもモンストをプレイしていることもあって返金請求の仕方なんかを学んでいました。ちなみにアプリ課金の返金を求めるのってアップルはほとんど受け付けないのですがグーグルだと、とりあえず一回は話を聞くのだそうです。つまりiPhoneならお手上げだけどAndroidならグーグルに直接お願いすると結構理由はなんでも返金してもらえる…という報告がモンスト返金騒動の時に沢山ツイッターやらブログやらで報告されていたのです。
なのでかずくんの奥様にスマホはiPhoneですかAndroidですか?Androidですね、んじゃこのお問い合わせにかけてみてくださいねーって教えました。それがうまくいき無事に返金されて、その後ご家族でありがとうございましたとわざわざ挨拶に来ていただいた時に、初めてかずくんとお会いしました。
それからタイトルの通り、近所のかずくんのおうちはうちから歩いて3分くらいのほんまもんの近所ですからお酒を飲んだりするような仲になっていくのです。そんな一昨年あたりのとある日の酒の席での事。唐突にかずくんが、
およさん、女子プロ行きましょう!
とか言うんです。そういえばかずくん、女子プロの観戦が趣味とか言ってたよなーと思いつつ、結構観戦するのにお金かかったりすんじゃない?とかわたし全然女子プロについて知らないけど大丈夫なの?とか聞いたと思うんですが、かずくんは、
1000円位で済むんで、知識はなくても大丈夫っす!
とか言うので、んじゃ特に興味は無いけど一回くらいは見に行ってみようかなと思ったのです。この時、酔っていたこともあり、行きましょうの意味をちゃんと考えてなかったから、のちにあんなことになるとは思っていませんでした…
女子プロに「行く」当日。かずくんにそういや女子プロってどういう格好でいけばいいの?スーツとかでいいの?と聞くと、いや動きやすいジャージとか運動靴のがいいっすねとの事。なるほど女子プロってのは見ていても危険が及んだりして避難したりすることがあるのかと勝手に解釈。でもわたしジャージ持ってないよ?というと貸しますよ、との事。夜になりかずくんがうちに迎えに来る。かずくんの持ってきたジャージに着替え彼の車で目的地に向かう。
行き先は地元の女子プロ団体、センダイガールズプロレスリングの基地みたいなところらしい。なるほどホーム戦ってやつか。と、勝手に解釈。そうこうしているうちに目的地へ到着。
ちょっと古めの貸し倉庫みたいな佇まい。おーここで今夜は試合が行われるのねーなんて思っていました。中に入ると簡易な受付、そして、
保険料を含めて
1000円いただきます
あと記帳して下さい。
とか言われる。ん?保険料??記帳??およさん早くと急かすかずくん。
かずくんにリングにあげられるわたし。他の観覧者の方がストレッチなんかを始めている。いやちょっとまて本当に観覧者なのか…と思っていたら、
唐突に始まるアップ!
この時わたし、運動なんてまるでしてなかったんです。ほんとたまーにプールに泳ぎに行くくらいだったんです。なのに、
中学校の部活動のような急激なアップ!!
もうね、まるで体動かしてない人にはアップだけで死活問題なんですよ、体が温まる前にぐったりとしている中隣のかずくんを覗くと、水を得た魚のようにぴょんぴょんはねてやがる。ああこの人こういう運動とか好きなんだなー…まぁ、ここにくるまでに気づかなかったわたしが悪いのかちゃんと説明をしないかずくんが悪いのかはおいておいて、わたしが思う女子プロに行くというのは女子プロの試合を観戦するだったのに対し、かずくんの女子プロに行くは、
女子プロを体験する
だった訳です。女子プロ体験内容の方はこれから行く人もいるだろうから割愛させていただきます。ただ練習を教えていただいたカサンドラ宮城さんは大変優しい方でした。ヒール役の方が人間ができているってアントニオ猪木が言ってた気がするし。東京03にわたしは似てるって言われたけども。
まぁそんな訳で薄々と気づいてはいたのですが近所のかずくん、こいつぶっ飛んでやがるとこの女子プロ事件をきっかけに解ったのです。そんなかずくんが去年の春頃また唐突にこんな事を言いだしたわけです。
およさん、卓球やりませんか?
卓球?なんでまた?とかずくんに聞き返すと、なんでも町内会対抗での試合が夏にあるんだけど人数が足りないから来てほしい、ピンポンができるレベルでいいから~お年寄りの方ばっかりだし、なんていう風に言ってきました。
普段だったら、まずこのかずくんの誘いを断っていたでしょう。理由は前述の通り女子プロ事件のようになにか罠があるのではないかと思ったから。しかしこの時わたしは禁煙もうまくいっていて、もう一つの苦手なスポーツでもやってみようかなぁって時期。
卓球なんてほとんどプレイしたことがなけどピンポン、温泉でやるような卓球でいいっていうし、人数合わせって言ってるしなー…まぁ、体を動かすきっかけにはいいかなーと思い卓球をやることを決意する。
それから3ヶ月間、
紳士淑女の皆様にひたすら
スマッシュを打ち込まれるわたし
ええ、そりゃそうですよね。確かに、確かにお年寄りの方ばっかりですが、皆経験値高めですもんね、年齢が若いだけの運動不足のわたしにはとても太刀打ちできませんわ。週に二回のみっちりとした練習。そして夏の大会、わたしの結果はボロ負け。ええ、大会もお年寄りの方多めでしたよ、でも、
元実業団とか元国体選手とか
そういった方多めなんだそうです。一歩も動かない仙人のようなおじいちゃんに完敗しました。町内会対抗とは一体…
で、夏の大会の打ち上げのとき、近所のかずくんはわたしに言いました。
およさん、来年リベンジね!
そんな訳で、今でも週に二回がっつりと卓球をしているおよでした。近所のかずくんに嵌められた感はたしかにありますが近所の方と仲良くなれたし、禁煙も運動も未だに続いてますからね。あとは本業の方をちゃんと頑張っていきたいと思います。
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