梅話

今は亡き、昔同居していた親父の方のばあさんが漬ける梅干しは、それはもう驚異でしかなかった。

 

どの様に驚異かと言うと、一口食べると強烈な酸っぱさによってしばらく身震いが止まらないのである。カァー!!っと血圧が上昇しているんじゃないかって感じてしまうくらい酸っぱい。わたしは梅が好きで色々な所でいただいているけど、いまだかつてばあさんが漬けた梅より酸っぱい梅に出会ったことがない。

 

朝食に食べるような鮭、いわゆる塩引きも「激辛」ばっかり食べているような人だったので、おそらく梅も漬ける時にとんでもない量の塩を使っていたのだろう。ただ、わたしはこの強烈な梅干しが嫌いではなかった。ちょっとかじっては震えながら水を飲むを子供の頃に繰り返した結果、梅干しは酸っぱくないと物足りない体となってしまった。

 

そんなわけで今でも梅干しを見るとよだれが出そうになるし減塩とか酸っぱくない梅には残念なから興味がわかない。一方で、母方のばあさんは梅酒を作っていた。最後に作っていた梅酒は、作っていたけど「うちでは誰も飲まないから」とわたしが大学を出た後に瓶ごと貰ってきたのだが、この母方の梅酒がこれがまた強烈に甘いのである。

 

ホワイトリカーで作ってある梅酒を原液でなめてみたら、それはもうハンバーグ師匠もびっくりなくらい「あまーーーい!」な感じで思わず身震いしてしまいったほどだ。この強烈に甘い梅酒はかなり水や炭酸水で割っても甘かったのでかなり長持ちした。

甘いお酒はそんなに嗜まないけど、甘い梅酒は薄めればそんなにくどくなくさっぱりしているのし、このばあさんの強烈に甘い梅酒をちまちま飲んでいたからか梅酒は甘い方が好みとなってしまったのである。

 

そんなもんで、二人のばあさんによって梅干しは強烈に酸っぱく、梅酒は強烈に甘くが好みとなってしまったわたしの所に近所のかずくんが生梅を持ってきたのだ。実家の近くで落ちた梅を大量に見つけて、このままだと落ち梅はそのまま埋められてしまうとの事で貰ってきたとの話だった。で、およさんは料理するからなんか作ってねって言われたのでなんか作ることに。

 

 

 

 

 

とは言っても生梅を貰っても梅干しか梅酒か梅シロップくらいしか思いつかないので今回は梅酒を作ることにした。なんというか梅干しって通常20%位の塩分割合で漬けるらしいんだけど、あの強烈に酸っぱいばあさんの梅干しを再現するのにはおそらく20%では絶対にあの味にはならないだろう。

そして、再現が成功した時にとんでもない塩分を今まで摂取していた事が同時に解ってしまい具合悪くなりそうなので、知らないほうが世の中には良いこともあるだろうと再現を封印する事にした。また梅を貰ったら作るかもしれないけど笑

 

そんな訳で梅酒作り開始。

 

・材料
生梅…1.2キロ程度
氷砂糖…800g
お酒…1.8リットル

 

これだけ。今まで梅酒を作ったことがなかったので知らなかったけど、お酒1.8リットルに対して氷砂糖800gって、ほとんど砂糖みたいな飲み物なんですね…まぁ、何かで割って飲むからいいか…

 

・作り方

 

①落ち梅なのでまず40分ほど水に漬ける

梅は地面に落ちていると、虫が入ることがあるみたいなので落ち梅は水に漬けるのが定番のようだ。40分漬けたらザルにあけたのち、タオルで拭いてしっかりと水気を取る。保存食だから水分は無い方がいいんだって。

 

②ヘタの部分を取る

梅の実のてっぺんに残っていたりするヘタを爪楊枝や竹串でほじって取る。そんな上等なものがなかったのでメガネ用の小さいマイナスドライバーでほじったけど笑。この作業が一番大変というか、作業としてやるのか実質これだけである。黒くなっている部分もなんとなく剥ぎ取ってみる。

 

 

③瓶を煮沸消毒して冷ましておき、その瓶に梅とお酒と氷砂糖を入れる

 

 

今回は定番のホワイトリカーではなくブランデーベースリキュールなんてものが売っていたので試してみることに。このお酒のセレクトで結構味が変わるようだ。当たり前だけど笑

ホワイトリカーの梅酒はよくのんでいたから、ブランデーベースだとどんな感じに仕上がるのかちょっと期待する。

 

 

 

④3ヶ月ほど置いたら出来上がり

この瓶、母方のばあさんから貰った梅酒が入っていたものなのだが前回は19年前に漬けたようだ。まぁ梅酒の仕込む時期って6月~7月中旬だから同じような時期になるのは当たり前よねぇ。ってことでヘタ取りが終わればあっという間に行程完了である。

 

 

 

 

瓶に入り切らなかった梅は別の瓶で梅シロップにすることに。生梅と氷砂糖を入れて冷蔵庫に入れつつ毎日振っていれば一ヶ月でできるようだ。

 

そんなわけで初めて梅酒を作ってみました。そんなへんてこりんな事をしていない、ネットにあったレシピの通りなのでおそらくとんでもないものができることはないと思うけども、出来上がったら報告致します笑

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