とても食べれません。中で十分です
大衆食堂半田屋中田店
大衆食堂半田屋は宮城県仙台市を中心に直営およびフランチャイズで全国展開している飲食店である。その軌跡は前進の「めしのはんだや」から辿ると、設立が昭和38年(1963年)3月と、57年の歴史があり、もはや老舗の部類に入る。
大衆食堂の名前の通り、リーズナブルな価格で昔から仙台市民、宮城県民の胃袋を満たし続けた半田屋。「生まれたときからどんぶりめし」のキャッチコピーでおかっぱ頭の子どもがどんぶり飯を頬張っているポスターは半田屋を利用したことのない人でも地元の人なら誰もが目にしたことがあるだろう。
最近はお米にまでなっている半田屋のおかっぱの子。
かくいうわたしも高校、大学の近くに半田屋があり(五橋店と今は無き八幡店)、今もNHKの番組「ドキュメント72時間-72hours-」でもピックアップされた大衆食堂半田屋中田店がうちの近所にあるので昔からちょくちょくお世話になっている。
考えてみれば、わたしが初めて一人でご飯を食べたのも半田屋だし、保護者のいない、子供だけでご飯を食べたのも半田屋である。中学生時代にわたしは陸上部に所属していて、休日に仙台から岩沼の陸上競技場に部活の仲間と自転車を漕いでトレーニングしに行っていた。
朝、中学校に集まり自転車に乗ってみんなで国道4号線をひたすら南下して、午前中いっぱいトレーニングをすれば当然腹が減る。腹が減ったらみんなでご飯を食べに行っていたのが4号線バイパス沿いにあった今はもう無い「めしのはんだや岩沼店」だ。
当然、中学生なんてそんな大金は持ち合わせてないから大食いのやつは「めし中」に生卵や納豆、とろろなど御飯の友を合わせ昔っから名物のとん汁を頼む。めし中は1合以上ごはんが丼に盛られてくるからそれだけでもかなりお腹がいっぱいだ。食の細い子はごはんを小さくしておかずを一品足す。それでどちらも400円かからないくらいの、大衆食堂に恥じないリーズナブルな値段。
部活終わりの腹ペコなので貪るようにみんなでごはんを食べていると、いつの間にかおばさんが背後霊のように後ろに立って食べているものをチェック。で、会計用の伝票に印をつけてスーッとごはんの横に置かれる。食べ終わったらその伝票を持ってレジで会計をするのだが、後にも先にもそんな会計システムだったのははんだやだけだなぁ。現在の半田屋は先会計でこの伝票おばさんが背後につくことはない笑
そんな岩沼のめしのはんだやに通っていてずーっと気になっていたのが、「めし大」のボードだ。はんだやではめし(小)ー〇〇円、めし(中)ー〇〇円、みたいな感じで壁に値段の書かれたボードが貼ってあるのだが、めし(大)のところだけにはタイトルの「とても食べれません。中で十分です」って書かれていたんです。して、わたしはそれなりに食べる子だったのである日部活の終わりにこのめし大を頼んでみたんですね。
そしたら、もう忘れもしない、
ラーメンどんぶりに並々の盛られたご飯が出てきたんです笑
いやぁあれはきつかったですね。ごはんのお供である納豆やら生卵が全然足りなくて初めて追加して食べきりました…まぁ、他のはんだやでは本当にめし大は出していなかった(規格になかった)みたいなので恐らく腹ぺこキッズの悪ノリに岩沼店のおばちゃんがノッてくれて実現したんでしょう。おばちゃん、いい思い出になったよ笑
ちなみに現在は石川県の半田屋だけはめし大を提供しているみたいです。幻のめし大を味わいたい方はぜひ石川県へ笑
(※と、思ったら石川県の半田屋はすでに閉店したとコメントで教えていただきました、失礼しました)
と、まぁそんな思い出深い半田屋に今もちょくちょく食べに行っているんですが、先日こんなメニューが展示されていました。
復活!!!
1キロカレー
そういえば昔、こんなメニュあったよなーと思いつつもちろんチャレンジしていなかったんです。なんせわたしはカレーがそんなに好きじゃないので。カレーが好きじゃないというか、何でもカレー味…せんべい、うどん、鍋などなど安易にカレー味にしたがる風習が好きじゃないというか笑。カレー味が世の中に蔓延しているのであえて自らカレーをオーダーすることは殆どないんです。で、このメニューも当然スルーしようと思ったんですけど、このディスプレイカレーをまじまじと見ていたら、
あれ、このカレー、めし大くらいごはん盛られているんじゃね?
と、思い立ってしまったわけです。思い立ったら吉日、幻のめし大との比較のため早速頼んでみようと思って今朝から半田屋に行ってきました。入口でお盆を受け取り、味変用の生卵を1つ取って、ごはんの注文場所で「1キロカレー」をオーダー。すると、
あたふたする店員のおばちゃん笑
あれーあの皿どこだっけ?あっちあっちなんて厨房でのおばちゃんのやり取りを見つつ、さらに味噌汁も注文する。半田屋といえば今も昔もとん汁が名物だけど、大食いの場合具が邪魔になりそうだったので今回はあえて普通の味噌汁。
注文してお金を払って見ていると、どこでこんなでかい皿売ってるんだよって皿が厨房の奥から出てきて、その皿にどんぶり飯が3杯分も盛られているのを見た所でおばちゃんに席で待っててねーと言われ、席で待つことに。
…あれ、めし大より多くね?
なんかとっても不安になってくるわたし。まぁ注文してしまったものは仕方がない。水とお茶を準備し腹をくくって待つこと少し…
これ、
1キロ以上
あるんじゃね?
とは、これが到着してすぐに思った感想である。とにかくでかい。皿もでかいけどカレーの量がやばい。サイズ比較用に置いたミンティアが、第一話で巨人に掴まれたエレン・イエーガーの母ちゃんくらいの対比である。
で、食べ始める。もうこういうのは気を紛らわしつつ食べ続けるしか無い。ガツガツ食べながら写真に収めた入口の1キロカレーのポップをまじまじと見ていると、ごはん3合と書かれていたので、そもそもごはん3合ってどのくらいだろうと調べてみると、ごはん1合で炊き上げ重量が約350グラムと書いてあった。
ごはんだけで
1キロ以上
あるやないか!
で、ルーもこれでもかってくらいかかっていて、さらに具材もゴロゴロ入っているんです。一体本当の重量はどのくらいあるんだこのカレーは…にんじんはともかくわたしはカレーにじゃがいもは無くてもいい(もさもさして食べづらい)のでこれがかなりの足かせになる。じゃがいもが強すぎて半分くらい食べた所でスプーンがピタッと止まる。本能が、これ以上カレーはいらないと訴えかける…そこで生卵を投入。ごはんの白い部分に落として醤油をドバドバかけて卵かけご飯にする。
この作戦が功を奏す。カレーは体が受け付けないのに卵かけごはんは食べられる不思議な現象を味わう。あれだね、味に飽きると箸が止まるってのはこういうことなんだね笑。卵効果でごはんの白い部分をほとんど食べきり、残ったカレーのルーを味噌汁と一緒に食べる。きつい、まじでじゃがいもがきつい…もううちで作るカレーには絶対じゃがいもを入れない笑
そんなことを思いながら、最後は福神漬けを一気食いして、
完食!
ひさびさの半田屋バカ盛りは相当手強かったですが、なんとか13分食べ続けて勝利をもぎ取ることが出来ました。レシートに書かれた「一人」がかなり寂しいですが、とりあえずこういう挑戦をするなら朝からやるのは胃袋がびっくりしてきついので時間を考えて今度は挑もうと思いました。食器をさげたらおばちゃんに「あらーきれいに食べたねえ」と褒められたという笑。
で、検証の結果、思い出のめし大より1キロカレーの方が(年齢的にも)きつかったです。40近いのに頑張るもんでもないですね笑
まぁ、チャレンジメニューですし、カレーが好きじゃない人にはおすすめできないですが、圧倒的な量を24時間提供している半田屋はやっぱりいくつになっても魅力的。だけど、
以前食べた、カツ丼、とんこつラーメン、野菜のかき揚げ。これで半田屋は1000円いかないのです。ちょっと甘めのカツ丼は専門店に負けないくらい美味しいですしとんこつラーメンはむかーしのいい意味でのチープさが残っていて懐かしくそして箸が進むんですよね。うん、1キロカレーを食べるならこちらのほうが圧倒的にいいですね味も値段も笑
そんな大衆食堂半田屋はいまでは直営、フランチャイズ合わせて39店舗あって(2020年3月現在)全国各地にちょこちょこあるみたいですが、仙台宮城の本場半田屋はまた一味違うと思いますのでこちらの方へご旅行の際にはぜひお立ち寄り下さい。ちなみにわたしの半田屋のおすすめは、とん汁を除いたら、
塩辛!
見かけるときと見かけない時があるんですが、あったらかなりの確率で手にとってしまうイカの塩辛。絶妙な塩加減でとっても美味しくごはんにもバッチリあうのでお試し下さい。
では、朝からとんでもない量を食べてしまったので今日は一日お腹いっぱいな気がするおよでした笑。まさに、
石川県の店舗はつぶれたようです。
ご指摘ありがとうございます、ほんとだ…大分前に潰れてたんですなぁ…
石川県ではないんですけどつい先日半田屋をFC運営していた北海道の会社がコロナの影響で潰れてしまって北海道の半田屋が2店舗閉店しちゃいました。どんどん無くなっていく半田屋…寂しい限りです。
それは半田屋が潰れた、と言うよりフランチャイズのオーナーが、半田屋の他にに経営していた飲食店の失敗で、会社自体が倒産してしまったというのが事実の様ですよ。
コメントありがとうございます。
なるほど他の飲食店がうまくいかなくて半田屋も無くなってしまったわけですね…
飲食店を営んでる会社ってフランチャイズで他の飲食店を経営したりしてますよね。半田屋もびっくりドンキーや餃子の王将を営業してたりしますし…