そうめん話

 

こう暑くなってくるとご飯を考えるのもめんどくさくなってくるので事ある毎にそうめんを茹でてしまうおよです。写真は近所のスーパーで一袋108円というお手頃価格で売っているそうめんで、値段の割に美味しいので重宝しております。

 

しっかしそうめんってなんで食べる前は意気揚々と沢山食べようって思うのにいざ食べ始めると割と早い段階で味に飽きるんですかね。味に飽きる感覚は半田屋でカレーを食べていて確信しました。本当にうっってなってピタッと箸が止まるんですよ。カレーは卵を落として味変してなんとか食べきりましたが、そうめんはもともと淡白な味わいだからか一旦飽きると何をしても進まないんですよね…

 

まぁ余ってしまったそうめんは仙台名物のおくずかけにして次の食事の時に食べるんですがね。おくずかけって何?って人はこの記事に詳細が書いてあるのでコチラをご覧ください。まぁ本当のおくずかけはそうめんじゃなくてうーめんだけど細かいことは気にしない笑

 

そんなそうめんですけど、ものすごい昔からある食べ物で、古代中国の後漢の「釈名」や唐の文献に度々出てくる「索餅(さくべい)」が日本に伝わったものとする説が有力でして、その他の説として南北朝時代に元から禅僧の往来や貿易によって「索麺」が伝えられたものという説があります。後漢って西暦25年~220年頃栄えた中国の古代王朝なので、そうめんって大体2000年の歴史があるんですな…

 

まぁ索餅って今で言うそば団子みたいな感じですから今我々が食べているそうめんの麺とはちょっと違うかも知れませんが、そうめんの前身であるのには違いないですからね。その索餅を作る途中に手で伸ばして(手延べ)そうめんになっていったとか。日本では奈良県桜井市がそうめん発祥の地とされていて、奈良時代に唐から伝来された索餅が由来となっています。

 

その後、1343年に書かれた「祇園執行日記」という書物に索餅ではなく「そうめん」の文字が初めて現れて、その後そうめんが1350年頃に定着したと言われているので、今我々の知っているそうめんはおよそ700年間この形で人々の胃に格納されてきたんですな。

 

そんなそうめんですが、そうめんの兄弟にひやむぎやうどんがあります。そうめんもひやむぎもうどんも原料は基本的に同じ小麦なのですが、「乾麺JAS規格」「乾麺類品質表示基準」という制度によって分類されています。具体的に言うと麺の太さで分類されていて、

 

そうめん:乾麺の直径が1.3mm未満

ひやむぎ:乾麺の直径が1.3mm以上1.7mm未満

うどん:乾麺の直径が1.7mm以上

 

と、なっています。また、そうめんには「手延べそうめん」と「機械そうめん」の2種類があり、手延べそうめんは文字通り棒を使って手で伸ばしていく手法で作ったそうめんで、機械そうめんは小麦を練ったものを機械で薄く伸ばして細く切って乾燥させたもので、やっぱり手延べそうめんの方が食感がいいと言われていますね。

 

ところで、この写真に載っている「播州の糸」を製造している株式会社マルツネさんの商品ラインナップに、恐らく日本で一番有名なそうめんである「揖保乃糸(いぼのいと)」があります。揖保乃糸はコンビニでも見かける、ちょっとお高いそうめんだけど細いのにコシがあって美味しいですよね。

この揖保乃糸は、兵庫県揖保川の流域で生産され、兵庫県手延素麺協同組合が有する手延素麺の商標の事を言い、マルツネさんの他に兵庫県南西部(たつの市・姫路市・宍粟市・揖保郡・佐用郡)の生産組合員工場(約420軒)製造しています。組合で徹底管理されているから揖保乃糸は美味しいんでしょうね。そして、揖保乃糸には結構色んな種類(ランク)があるんですよ。

キングオブそうめんと言われている「揖保乃糸 三神」から始まり、特級縒(より)つむぎ播州小麦熟成麺上級、太いそうめんの太づくり、とあります。太づくりは1.10mm-1.50mmの太さなのでひやむぎに近い感じですな。

 

太づくりはともかく、揖保乃糸の三神と上級って何が違うのかと言うと、小麦粉の質や原材料、麺の細さ、製造時期の違いでランク付けされています。例えば三神は厳選された小麦粉で作られて太さは0.55mm-0.60mm、上級だと原材料「小麦粉」で麺の太さが0.70mm-0.90mmとなっていますね。ランクグレードによっては北海道の小麦粉「きたほなみ」とか書かれていたりしますな。

 

つまり、高いそうめんほど小麦にこだわっていて細いって事ですね。ちなみに一般的なシャープペンの心は0.50mmみたいなので、三神はほとんどシャープペンの芯と太さが変わらないんですね…めちゃくちゃ細いなぁ…

 

そんな訳で、そうめんは約2000年の歴史があって、細いほど高級であるという茶飲み話的な記事でした。冷静に考えると揖保乃糸の上級以上のグレードってわたしは食べたことがないので、見かけたら買って試してみたいなぁと思ったのですが、三神って950g・5400円で売ってますからね…わたしが普段食べてるそうめんだと1キロで400円もしないからいかに三神が高級か解りますよね…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です