手帳はいらない

まだ、社会人になったばかりのいつぞやの3月のこと、あまりにもスケジュールが詰まって予定の整理ができなくなりそうな時にわたしは初めて手帳なんてものを買ってみたんです。

 

と、言うか昔からわたしは営業職なのにずっと手帳持ってないのです。仕事してないだけだろなんて言われそうな感じですが、わたしは全部脳味噌で全部スケジュール管理なんかしていたのです。つまり暗記マンでした。

 

そんな田中眞紀子さんの亡き父である田中角栄さんの「学校の授業はノートなんか取らないで全部暗記しろ!」みたいな発言は冗談として、わたしが当時勤めていた会社ってパートのおばちゃんがチラシやカレンダーをカットしてメモ帳なんか作っていたのですよ。

 

良く言えばリサイクルでエコで環境を配慮したオフィスですが…入社してから社員の皆様が普通に予定やら電話番号やら伝言やら書き込んだり、社用車にも積んで利用していたので、わたしもこの会社ではそれが普通なんだなぁ…なんて思ってチラシの裏を利用していました。

 

で、月日が経ち、お客様と打ち合わせなんかする機会がやたらと増えて、いつもポケットにはチラシの切れ端を忍ばせて、打ち合わせが終わった後チラシの裏にこそこそ予定を書き込んでいました。はい。

 

 

 

 

…なにも持ち歩く紙がチラシじゃなく手帳だったら堂々とお客様の前で書き込めるじゃないか!

 

 

なんて簡単な事にクソ忙しくなった頃、やっとその結論にたどり着いたのです。馬鹿です。

 

それで、適当な文房具屋さんで適当な明らかに合皮なカバーの手帳を購入!早速事務所に帰って手帳を開き、ポケットのチラシを取り出して予定を書き写そうなんて思ったのです。

 

ところが、探せど探せど「3月」の欄が見つからないんですこの手帳。必死に探してようやく見つけた「3月」は「翌年」でした。

 

あれ、これはどういう事なの?なんて手帳を閉じてみると、手帳にはなんかCDの帯みたいなタグが着いていまして、

 

 

「新年度対応」

 

なんて、もう普通はどう見ても目につくだろうがっ!て勢いで書かれているんですよ、もう自分のふがいなさに思わず舌を噛みきりたい衝動に駆られましたね…まぁ多分解説なんて不要だと思いますが、「年度」ってヤツは4月から翌年3月末までを指す訳でして、3月に手帳を買っても、当月の3月が書き込める手帳って殆ど無いのです。おまけ程度に枠が用意されてある手帳くらい。

 

て、事は次の月でかつ新年度の4月までこの手帳機能しない訳じゃないですか。3月が一番忙しい時期だから予定を書き込みたくて手帳を買ったというのに…

 

そうなってくると怒りの矛先は自分のすっぽ抜けたニアミスの過ちより、なんで新年度って4月からなんだよ!になるわけですよ。ある意味立派な自己中ですが、新年度が1月からだったらこんな惨劇にはならなかったはずですし、そもそもなんで4月から新年度と言うのか今まで疑問だったけども、まぁいいかで過ごしてきたのでこれを気に悔しいから調べたのでした。

 

それで、調べて出てきたのが、

「年度とは暦年とは別に、特定の目的のために規定された1年間の区切り方。年度は官庁や企業が仕事や事務の都合から区切った一年の期間で、国の「会計年度」は財政法で「毎年四月一日に始まり翌年三月三十一日に終わる」と決められています。」

でした。

 

つまりの所よく理解できなかったのですが、この時買った手帳が次の月まで利用できないのは国が定めた試練だった訳ですか、そうですか。

 

しかしまぁこの新年度ってヤツは、例えばアメリカなんかだと十月一日から翌年九月末みたいに国によって違うらしく、もしわたしがアメリカ人で3月に新年度対応の手帳なんか買ってしまっていたら後半年は手帳としての役割は果たさなかった訳で…

 

ここはポジティブに物事を捉え、日本に生まれて良かった!と思うようにしました。ちなみにその後、この時買った一ヶ月使えなかった手帳は1年みっちり使い切って、やっぱりチラシの裏に書き込むように戻ったのでした。まぁ今にして思えばリフィルという予定が書き込める用紙が足せる型の手帳を使ってりゃ良かったんですがね、そこまで頭がまわらない子でした笑

 

所で、

 

パソコンなどの機械に頼らずに、手で書く文章は自分の意思を表現できますし、相手がどんな気持ちで書いたかってのもなんとなく解りますよね。

 

字が下手な人でも「とめ・はね」がしっかりしていれば丁寧にゆっくり書いたなって解るし、うまい人でも乱雑で適当に書いたなってのが解る。字の書き方だけである程度の気持ちが伝わるからこのスマホメールやSNSが流行っている時代でも手書きの手紙に拘る人がいるでしょう。

 

わたしは字は上手に書けませんが、お客サマや人に見せる物だからできるだけ丁寧に書こうとはします。乱雑殴り書きでは,、真面目に働いてるのかと思われてしまいそうですからね。まぁお固い手紙なんかじゃなければ、実際は読めればいいんでしょうけど…

 

で、問題。まずは次の写真を見ていただければと思います。

 

 

 

手帳を買った頃に撮っておいた写メなのですが、○○、支店長の下にある奇妙な線。これはある漢字が書いてあるのだが、読めますでしょうか?

 

 

 

 

 

答えは「本」

 

この紙は当時の会社でわたしの上席であるたけさんの机に置いてあったメモ紙を盗撮したものである。○○、支店長、本ってメモ自体意味不明だけど、今回そこは問題じゃないです。

 

たけさんとはかなり長い付き合いがありましたし今でも接点がありますが、それでも彼の書く文章は読めない時がありました。理由は写メの通り暗号のような字を書くからであり、たけさんが定年退職する頃にやっと文章の流れからなんとなく文面を予測できる様になってきました。しかし文章ではなく品物名なんかが書かれていたらまずお手上げなんですよ、普段使わない言葉がまず読めない笑

 

で、たけさんの困った所は、社内で身内だけにこんな字だったらまぁ何とかなるんだけど、お客さんや発注書にまでこんな暗号文を使うので…その結果が休日返上出勤に繋がったりもしてました

 

そんな訳でたけさんがお客様と大事なやりとりをする場合、書面ではなく口頭で行い、たけさんがなんか文章を書こうとしていたのを発見したら横で代筆もしくはPCで打ち込んでプリントアウトあげるというルールが暗黙で確立されていました。

普通には考えられませんよね、大事な事は口頭で済ませずメモしろが社会の常識ですから。で、そんなたけさんが、

 

 

チラシの裏推進委員長だった訳です。

 

つまり、紙を選ばない人は字も適当になるんだなぁって社会人になってから気づいたのでした笑。カレンダーやチラシをカットしてメモ紙にしろって言ってたのはたけさんだけど、社内ならともかく外で使う時はやっぱりしっかりとした紙のほうがいいですよねどう考えても当たり前だけど笑

 

そんなわけで、手帳を使わなくなった後、チラシの裏でもこのように悟ってしまったので大事なことはすべてケータイのメモ帳に書き込むようになったおよです笑。人前で下手な字をなぐり書きして予定を書き込むよりはその方がスマートかなぁと思って未だにスマホに予定を書き入れています。最近のは事前にアラームを鳴らすことができるので便利ですな笑。

 

それで、なんで今になってこんな昔話をしたのかと言うと、仕事でもあまり字を手書きしなくなったわたしが割と真面目に字を書くイベントが七夕だったのです。七夕に関しては皆さん十分知っているでしょうから説明不要だと思うので省略しますが、仙台の七夕って他の地域より一ヶ月遅い8月7日、つまり本日なんですよね。

 

今年は残念ながら例の流行病の影響で中止になってしまいましたが、人混みが嫌いだとかなんだかんだいいながら毎年七夕を見に行ってというか仕事場が町中だったから七夕に寄らざる得ない状況だったのです。それで、七夕というと短冊に願い事を書いて竹にかけたりするじゃないですか。なにげにわたしはその短冊を書くのが好きだったんですよ。

 

とは言っても願い事を真面目に書くのではなく、その短冊を見た人がニヤッとするような時事ネタをひねった事を真面目に丁寧に書いていたんですがね、まぁおそらく書いていたわたししか面白いと思わない、つまり一般的にはつまんない事を毎年書いてたとは思うのですが笑、今年もし短冊を書くことがあったら間違いなく「さっさと流行病が終息しますように」って書くでしょうねぇ…

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