ラジオが怖かった訳

※ちょっと怖い話です。

小さい頃、ラジオが嫌いだった。と、言うか怖かった事を何げなくカーステレオから垂れ流されているラジオをボケーッと聴いていてある日ふと思い出した。

 

中学時代、わたしは勉強すると言いながら自室に籠もるものの、当然勉強をする気なんか全く無く、赤坂泰彦さんのミリオンナイツを聴いていたり、地元の親友せいたんと土曜の夜に無理矢理文化放送のときめきメモリアルのラジオドラマを聴いていた時には思い出さなかったのに、どうして今更ラジオが怖かったのを思い出したのだろう…て言うか何が怖かったのだろうか。

 

日曜日、おでかけの時の車の中で聴いていた松任谷由実さんのラジオは、子供ながらに失恋の話題とか、暗い話が多いよなぁと思っていた記憶があるが、それじゃない。もっと根本の所に何か出来事があったはず…

 

あ、そうかあれか。と、思い出して一人で納得。わたしが小さい時ラジオを怖がった訳は、

 

 

わたしにもきかせて

 

 

わたしの生まれるちょっと前、南こうせつさんの所属する「かぐや姫」ってフォークバンド…「神田川」が有名ですな。そのバンドの解散コンサート、それを楽しみにしていたとある女性が、コンサートの日を前にして、不慮の事故で亡くなってしまう。

 

その後、南こうせつさんは自分が出ていたラジオ番組にその解散コンサートの模様を流したんだけど…その中に、え、ここで…って場面で、

 

わたしにもきかせて

 

って女性の声が紛れ込んでいて、その声の主はかぐや姫のコンサートを楽しみにしていた女性ファンが不慮の事故か何かで亡くなった方がいるのでその人ではないか、というお話があって…こんな話をお袋に聞いたんだそういや。徐々に記憶が、朧気ながらも甦る。確か当時、この放送が流れて話題になっていた所で、たまたまうちの親父が録音したのを高校に持って行って震え上がったって話だった気がする。うちの両親、高校のクラスメートだったので。

 

で、わたしがこの話を聞いたのは3歳とか、かなり小さい時だと思う。もう家庭の事情でホラー映画とか見ていたけど、これは作り物だからなってちゃんと説明されてたのでそんなにホラー映画は怖くなかったのだが、実際にそんな話があったのかと、夜おねしょしちゃうくらいショックだったような…それからわたしはラジオが怖かったんだよな。

 

ただ、その情報のソースがお袋って事は結構またテキトーに話を作って、何か悪さをしたわたしを懲らしめるためにそんな話をしたのではないだろうか。楳図かずおさんのホラー漫画「猫目小僧」が絵本だったくらいですからねわたしは。うん、そうじゃないかね。

 

それで、その後自宅に帰ってきてふと検索をしてみたのです。こういうのは結構すぐ忘れてしまってまたなんでラジオが怖かったのだろうとモヤモヤしてしまうからね。当然検索ワードは「わたしにもきかせて」

 

 

 

 

 

 

いやぁ…たまにはお袋も本当の事を言うんだな…そして、インターネットって便利だなぁ…

 

 

詳細がネットに書かれていました笑

 

事の詳細が書かれているページが結構ありました。抜粋すると、かぐや姫の解散コンサートが今から40年以上前の1975年4月12日に東京神田共立講堂にて開催され、このコンサートの模様を収録した音源は後日、同年4月にスタートしたばかりの南こうせつさんのオールナイトニッポンで放送されました。

 

70年代におけるオールナイトニッポンといえば、ものすごい人気で、更に若者から絶大な支持を受けていた南こうせつさんの新番組ということもあって、当時多くの人が深夜のラジオにもかかわらず聴いていました。そんな人気番組で「わたしにもきかせて」なんて聞こえる謎の声が流れたものだから、放送の翌日からラジオ局に「あの声は何?」という旨の投書が殺到したといいます。

 

概ねお袋が言っていた事とあってますね。女性ファンが亡くなった云々もありましたがオカルト話よろしく病気で亡くなったとか事故で亡くなったとか諸説あるけど、どれもソースがないです。一番この子だと言われているのが南こうせつさんのラジオのリスナーで不治の病でコンサートに行けないって手紙を出していた子ですかね。その子は後で友達が亡くなったけど、その子の写真を持ってコンサートに参加しますと手紙を出しているみたいですな。

また、この私にも聞かせてを録音したのテープを逆回転して再生すると、私もそこに行きたかった私を捨てないで等と聞こえるなんて事も言われてました。これはこじつけっぽいけども…そして、インターネットのすごいところと言うかなんというか、未だに、

 

 

 

その音声が残っている事

 

音声がきっちり存在するのには驚きました。Youtubeで「私にも聞かせて」と検索すればトップにきっちり出てきますね。ちょっと解りづらいですが、ちゃんと拍手の後に謎の声が入っています。直リンクは貼らないほうが良さげなので興味のある方は自己責任で検索してみて下さい。

 

でも、よくよく考えるとですよ、これ解散コンサートの収録で入っていた声って事は、この女の人はちゃんとコンサート聞けたんですよね。幽霊だったとしてもそれは救いなのかなぁと…

 

って、

 

今聞いてもちょっと怖そうな話を3歳児にするうちのお袋って何なんだ笑

 

そんなわけでどうしてこういう声が入ったのかという検証を調べながらしてみます。

一番有力な説は、女性スタッフの声をステージ袖のトークバックマイクが拾ってしまったというものみたいですね。当時のステージスタッフが語っていたみたいですがソースは見つからず。なんでもこの「わたしにもきかせて」は1980年代の心霊番組で結構取り上げられたらしく、その中での検証結果みたいですな。

他の都市伝説と違ってバッチリ「私にも聞かせて」と謎の声が残っていたから未だに検証とかされているんでしょうねぇ。稲川淳二さんの怪談話やアンビリーバボーでも取り上げられたことがあるくらい有名なお話みたいだけど、謎の声の主が幽霊だったとしたらやっぱりコンサート会場にいれたってことでかぐや姫の演奏を聴いてたはずだからそれはそれで幸せだったんじゃないのかと思います。

 

今じゃ特に心霊とか信じてませんからねわたしは。そういう世界があればあったで死んだ後の楽しみがあるなーくらいにしか思いませぬ。幽霊の声はロマンがあるけども、やっぱり生きてる人間のがよっぽど怖いと思うおよでした笑

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