魅惑の朝鮮漬

 

 

宮城県岩沼市の海の方にある巨大なスーパーマーケット「フーズガーデン玉浦食彩館」は宮城県南でスーパーを展開する株式会社イトーチェーンが運営する総合型スーパーマーケットで、新鮮な地元産直品と飲食店・ドラッグストア・スーパーマーケットのコラボ!をウリとしています。

たしかに、下手な道の駅よりも圧倒的に品数が多い地場産直品コーナーには、他所ではあまり見かけない珍しい野菜が所狭しと並んでいて眺めているだけで結構時間が経ってしまいます。肉も魚も結構いい感じの食材がお安めの値段で売っていて、種類も専門店より多いですね。

 

 

店舗のイートインコーナー「ふれあいテラス」では見ての通り安価で海鮮丼を食べることが出来ます。フードコートのような場所なのですが海鮮丼の味は本格的で美味しい。なので昼時にはかなり混み合っています。

そんなフーズガーデン玉浦食彩館さんにわたしはちょくちょく買い物へ行きます。上記の通りこのお店にはいろいろな魅力があるのですが、わたしが目的にしていて他のスーパーに無いものがあるのです。

 

 

地場産直品の漬物コーナーに並んでいる、

 

 

朝鮮漬。

白菜、昆布、人参、スルメ、リンゴを鷹の爪ニンニク醤油砂糖等で味付けした漬物で、これがわたしのまわりではこのフーズガーデン玉浦食彩館さんでしか売っていないのでここまで買いに行くのです。

むかーし今は亡きばあさんと住んでいた頃はこの朝鮮漬がちょくちょく食卓へ並んでいたのですが、材料の通り味は松前漬けをちょっとキムチっぽくした感じなんです。辛味はほとんど無いけどご飯との相性はバッチリでよくあるこれがアレばご飯が何倍でも行けるって類ですな。

実家を出てからはしばらーく食べていなかったし売っているのも見かけなかったのでその存在すら忘れかけていたけど、玉浦食彩館さんでばったり再会して衝動買い、以降この朝鮮漬のためにたまに買い物へ行きます。

 

 

こういった蓋のついた入れ物に入れないと冷蔵庫の中身が全部朝鮮漬の匂いになってしまうのが難点ですが笑、それでも美味しいんですよねぇ朝鮮漬。わたしはいわゆるばあさんっ子でお茶飲みしながら漬物を食べて育ってきているので漬物が大好きだったりします。夏はきゅうりの漬物、冬は白菜の漬物をバカみたいに食べています。それでラーメンも好きなのでどこかで塩分を抜かないと悲惨なことになりそうですな笑

 

ところで、一般的に朝鮮漬というとキムチが挙げられると思います。キムチは白菜などの野菜と、塩・唐辛子、魚介(主にオキアミ)塩辛、ニンニクなどを主に使用した漬物で、真っ赤なビジュアルをしている漬物。朝鮮漬と聞いたらこちらの赤いキムチを思い浮かべる人が大多数だと思います。キムチも昔は朝鮮漬って呼ばれてましたしね。

 

では、わたしが子供の頃から食べていた白い朝鮮漬は一体何なのだろうと思って調べてみました。まずは色が赤くないので水キムチから来ているのかと思い掘り下げてみるも、水キムチとは唐辛子やニンニクを使わず、水で漬けたキムチのことを言います。乳酸菌の繁殖を手助けするフルーツ類を入れたりする作り方も多く、日本の浅漬けや漬けた水はスープ感覚で食べられるため、辛いキムチが食べられない人向けですね。

水キムチにもリンゴをいれて発酵させている(酸っぱくなる)ので白い朝鮮漬に近いかなと思いましたが、そもそもわたしの知っている白い朝鮮漬は酸っぱくはないんですよね。冷蔵庫の中で熟成させれば乳酸菌が働いて酸っぱくなりますけども。なので水キムチ由来はちょっと違うなと思いました。

 

それで、さらに調べていくとどうも鹿児島の朝鮮漬がこの白い朝鮮漬に近い感じがしました。鹿児島朝鮮漬のレシピを公開しているサイトによると材料は、白菜に、りんご、にんじん、昆布、ニンニクを挟んで漬け込むだけとあり白い朝鮮漬の材料に酷似しています。そして鹿児島では今でも朝鮮漬の名前でこの白い朝鮮漬が並んでいるとみたいですな。

それで、なんで赤いキムチの他にこの白い朝鮮漬が流行ったのかと言うのも調べたのですが、いわゆるビーフシチューを再現しようとして肉じゃがになったみたいな話なんだと思います。肉じゃがが生まれる話は諸説あるのですが、結構有名なのがは東郷平八郎に由来するという説。

東郷平八郎と言えば、日露戦争で活躍した海軍司令官ですが、ある時英国留学時代に味わったビーフシチューが忘れられなかったので料理長に命じて、ビーフシチューを作ってもらうことにしました。ところがこの料理長はビーフシチューのデミグラスソースを知らなかったので「牛肉、にんじん、たまねぎ、じゃがいも」という東郷の説明を頼りに作ったのが、砂糖と醤油で煮込んだ「肉じゃが」となった。という説があります。

 

白い朝鮮漬も、満州国から日本へ帰ってきた人達がキムチを食べたくて作ろうとして日本にある材料で作った結果生まれたって感じだと思います。と、いうのも当時日本ではニンニクもオキアミの塩辛も手に入らなかったみたいですし。詳しく文献に残っているものを見たわけではないのですが、わたしの予想だとこんな感じですな。その再現した朝鮮漬が鹿児島県には色濃く残り、他の地域でもポツポツとその味が残っているのでしょう。この白い朝鮮漬に詳しい人がいたらお話を聞いてみたいです笑

 

それで、朝鮮漬を調べていて気がついたのですが、一般的なキムチ、白い朝鮮漬の他にもう一つ朝鮮漬と言われる漬物が存在し、そして東北発祥だということで近所のスーパーを探しに行ったらあっさり売っていました。

それがこちら。

 

 

 

 

タマゴヤの朝鮮漬!

タマゴヤの朝鮮漬は株式会社菅野漬物食品という福島県南相馬市にある会社が製造している漬物できゅうりのピリ辛漬けって感じでした。きゅうりの漬物だと「オイキムチ」を思い浮かべるかも知れませんが、こちらの朝鮮漬はきゅうりの古漬けをキムチっぽく味付けしたような感じがあります。

キムチや白い朝鮮漬とはまた違った感のあるタマゴヤの朝鮮漬を今回初めてわたしは食べてみたのですが、これはこれで美味しい。ナスの朝鮮漬もあるようなのでそちらは今度探して買ってきたいと思います。てか、このタマゴヤの朝鮮漬も50年以上歴史があるみたいですね…

 

 

と、言うわけで魅惑の朝鮮漬の紹介でした笑。日常何気なく食べている漬物やキムチにも風土や歴史があるんだなぁと思いつつ、週末に朝鮮漬の食べ比べをするのもいいかもしれませんねぇ。なんで週末かって、これらの商品どれもニンニクがバッチリ効いていますからね、少量なら問題ないでしょうけど食べ比べるならガッツリ食べたいですしね笑

ちなみに普通の赤いキムチをわたしはよーく成分を見て買います。オキアミの塩辛って要は小さいエビの塩辛ですからね、わたしはエビを体が受け付けないのでそこを気をつけないと危ない。取りすぎると蕁麻疹がでちゃうんですよね。まぁ外で食べる分にはもうオキアミを気にしても仕方ないのでそのまま食べます笑

オキアミの入っていないキムチもあるにはありますがかなり少ないですね。一番は桃屋のキムチの素で自分でつけるのが、確実にオキアミが入っていないキムチを食べることが出来る方法ですな笑

魅惑の朝鮮漬” に対して5件のコメントがあります。

  1. ピンバック: モウカの星

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