西浦製陶製便器をジャニス工業さんに届けた話

 

下記リンクにある記事の続きとなります。結構前の記事ですが意外と前回の記事のPVが未だにある事、たまにそう言えばアレどうなったの?と聞かれるので今回の記事はそれらのアンサー記事となります。

西浦製陶のアンティークトイレ

 

前回のお話を要約すると、近所のかずくんが令和元年東日本台風で被害にあった資材屋さんがもう事業をやめるという事でそこの片付けをしていたのですがおよさんのネタになるんじゃない?と資材屋さんの許可を頂いてこんなものを現場から貰ってうちに届けてくれたのです。

 

倉庫の奥に眠っていたらしいかなり汚れた便器?をブログのネタにと提供してくれました。翌日綺麗に洗ってみるとくすみのないかなり綺麗な陶器でどうやら未使用品のようです。大きさは通常の便座よりも小さめ、小便器としても小さめサイズでした。比較用にファミコンの名作、ソフトプロインターナショナルのカラテカを添えてみましたがやはり便器としては小さめ。そしてとても特徴的なのが便器の真ん中にある象さん?のシンボル。

その後便器と一緒にあった「U-21・nishiura・西浦製陶株式会社」と書かれたステッカーを頼りにネットの世界を調べてみると西浦製陶株式会社は1935年5月に愛知県常滑市にて創立、1979年に愛知陶管工業株式会社と常磐西浦製陶株式会社を合併しジャニス工業株式会社に改称したとありました。と、言うことは西浦製陶の名前がついている便器ってどんなに新しくても40年以上前のものになりますね。そんな西浦製陶は「象印の西浦製陶」として衛生陶器の製造をしていたんだそうです。

そんな訳で簡単に頂いてしまったけどこの便器はなんかものすごく貴重な物なんじゃないか…という疑問が生まれた所で思いついたのは「ジャニス工業さんに聞いてみる」でした笑。まぁいらないといわれればそれはそれでいいかとジャニス工業さんのお問い合わせにメールを送ってみた、と言うのが前回までの記事でした。

 

 

して、わたしはジャニス工業さんにこのようなメールを送らせて頂きました。

 

はじめまして、突然のメールを失礼します。先日大工の友人がとある田舎の資材所の解体工事を行っていた際、奥の方にこの未使用品の象の飾付き小便器があったそうです。施主様に許可を頂き貰ってきたのですが調べたら御社のかなり古い商品なのではないかと思い連絡させて頂いた次第です。

友人はわたしにあげると言ってましたが正直私がこの便器を何かにするより、もしかしたら御社には必要な物ではないのかと思いました。と、言うのも相当古い商品の様で、調べても同じ型の情報や写真が全く出てこないのです。裏面にはサイン?のようなものが彫られています。もしこの小便器がご入用であれば寄付させていただきますのでご連絡下さい。不必要であればこういった古い陶器のコレクターの方に差し上げようと考えております。

以上よろしくお願いします。

 

みたいな内容でお送りしました。すると比較的直ぐジャニス工業さんの営業部業務管理課の方から返信がありました。

こちらもそのままメールの内容を貼るのはマナー違反だと思うので搔い摘みますと、

 

・西山製陶時代の商品はジャニス工業にはほとんど残っていない

・社長以下経営陣に確認したところ是非ともお譲りいただきたいという話になった。頂けたら本社に飾ります

 

との事でしたのでそれではこの便器をお譲りしますとなりまして。で、仙台にある東北営業所の所長さんがうちに引き取りに来るって事だったのでそれは悪いから直接東北営業所の方にわたしがお届けします~となりました。ちゃっかりブログに掲載許可も頂きまして笑

 

きちんとブログに掲載許可はいただきました。当時ですが笑

日曜だったこともあり近所のかずくんも一緒にジャニス工業さんの東北営業所に着いてきてくれて所長さんにお渡ししました。で、この所長さんはとても仕事ができる人で「おそらく気になると思ったので…」と一枚の紙を頂きまして。そこにはこの便器の仕様書?みたいなものが書かれていました。なんでも所長さんがブログ記事にあった「U-21」の型番から会社にあった資料を探してくれていたんです!そしてそこに書かれていたこの便器の正体は…

 

こちらも掲載許可を頂きました。

U21 非水洗朝顔形小便器…それがこの便器の正式名称だそうです。そしてその正体は、

 

子ども用

非水洗小便器

でした。

 

つまり、ぼっとん便所用に作られた子供の小便器だった訳です。もはやぼっとん便所と言っても今の人には解らないと思うので軽く説明しますと下水が発達していなかった昔、トイレには排泄物を貯めるタンクが備わってまして定期的にバキュームカーがその貯まった排泄物を吸い出してくれるシステムになっていました。タンクが底深い為排泄物が落ちた時の音に例えて「ぼっとん便所」なんて通称で呼ばれていたんですよ。なるほどだから象のシンボル部分に水が出るような穴が設置されていなかったのか…と納得。所長さんのおかげで謎が解けて良かったです笑

して、この数日後にジャニス工業さんの本社に無事に届きましたと連絡を受けまして。「常滑本社に飾るので、展示が完成しましたら改めてご報告いたします。しばしお待ちいただければと思います」というお話でした。

 

…で、この便器をジャニス工業さんにお届けしたのが2021年の3月なんです。このメール以降何の連絡もないんですよ;;

結局飾られなかったのか、連絡を忘れたのかは解りませんがこういうオチが付かない状態だったので記事の続きが書くに書けなかったのです。しかし先日、またまたあの便器どうなったの?と知人に聞かれましたのでいい加減3年以上経っているし…と事の経緯を記事にさせて頂きました。何か今更こちらからお送りした西浦製陶の便器はどうなりましたか?と聞くのもあれだし、しばしお待ちくださいの「しばし」も人によってまちまちだろうし…普通に忘れてるだけならいいのですがやっぱりこの便器いらんかったわ、だったら結構悲しいですね…

そんな訳で愛知県常滑市にあるジャニス工業さんの本社では見学ができるそうなのでどなたか会社に見学に行かれた際にはぜひこの小便器が飾られているかどうか確認してきていただければと思います笑。やっぱり便器の行く末がどうなっているのかはちょっと気になりますからね…しかしながらこの便器の正体が解っただけでも価値のある行動だったと思います、なんせネットに全く情報がありませんでしたからね笑

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