トラキア776とSFメモリカセットの話

先日、地元のハードオフを徘徊していたらこんなものを見つけた。

 

SFメモリカセット。SFメモリカセットとは1997年ローソンおよび任天堂が実施したゲームソフトの書き換え販売サービス「ニンテンドーパワー」で使用されたROMカセット。フラッシュメモリを搭載したこのカセットにスーパーファミコン用のゲームデータを書き込んで販売していたサービス。感覚としてはファミコンにおけるディスクシステムの書換サービスみたいなものを想像していただくと解りやすいと思う。ゲームボーイ版のメモリカセットもあるがこの記事では割愛する。

スーパーファミコンの末期にスタートしたサービスでなおかつ当時「次世代機」と呼ばれたソニーのプレイステーションやセガサターンが発売した後だったので今一流行らなかったのだが、サービス当初から旧作のゲームは1000円、新作ゲームも3000円で書き換えができお得に遊ぶことが出来たし後に価格改定がなされよりお得に書き換えができるようになった。

そんなSFメモリカセット、現在超高額で取引されているウィザードリィⅠ・Ⅱ・Ⅲや幻獣旅団といったニンテンドーパワー書き換え専用ソフトも存在し、さらに中身はゲーム機に繋いで電源を入れるまで解らないことから宝くじ感覚でSFメモリカセットを沢山購入している方が結構いたのだがわたしは今まで参戦しなかった。その理由がまた恐ろしいのだが、

 

SFメモリカセットは

自分で書き換えられる

 

んですよ。つまりニンテンドーパワー終了後にデータが改ざんされた偽物がたくさん出回っている。絶対に推奨したくないので詳細は省くが、その気になればパソコンとその知識、カートリッジアダプタ、書き換え用のアプリとROMデータ(海外サイトにROMデータは落ちてるけどダウンロードすることも犯罪)があれば誰でもとは言わないけど比較的簡単に書き換えられてしまう。その結果中身に価値のないSFメモリをかき集め高額ソフトに書き換えフリマサイトで売っていた悪意のある人間が結構見受けられたのです。

そんな訳で今までSFメモリカセットには手を出してこなかったのですが、たまたまハードオフで売っていた未チェックのジャンク品であるこちらは購入して見た訳です。なぜ購入したのかというと一つは安かったから。2023年現在SFメモリカセットは中身が何にしてもだいたい3500円くらいで売られているから相場より少し安めでした。で、もう一つの理由は、

 

ファイアーエムブレムトラキア776(以下トラキア776)のシールが貼ってあったから。前述の通りSFメモリは中身が書き換えられるので取引価格がへんてこりんなことになっている反面、こういう書き換えの時に貰えたシールや「遊び方シート」なんて一枚紙の説明書みたいなのに注目が集まっています。

そしてもう一つの理由もトラキア776のシールが貼ってあったからだったりします。このシールが貼られているということは未チェック品とはいえ中身がトラキア776の可能性が高いと考えました。このトラキア776、以前はWiiやWiiU、ニンテンドー3DS辺りでダウンロード購入できましたが2023年現在はトラキア776で遊ぶとなるとスーパーファミコン用ソフトを購入するしか方法がありません。で、このトラキア776はSFメモリカセットの他に通常のロムカセットもあるのですが、

 

駿河屋様にて販売しています(引用)

定価5720円だったのに対し、現在箱説無しのソフトのみで大体3万円くらいするのです…ちなみにSFメモリカセット版のトラキア776でもだいたい5000円前後で取引されています。そんな訳でトラキア776でちょっと遊んでみたかったわたしはトラキア776のシールが貼られているし、仮に中身が違うゲームになっていてもSFメモリカセットの価格自体が相場より安いので今まで手を出してこなかったSFメモリカセットを購入して見ました。

早速家に帰って起動チェックしてみると、

 

ものの見事に中身がトラキア776で大勝利だった訳です。これでめでたしめでたしだったら良かったのですが、実はSFメモリカセットはもうひとつ難題が残されていたり。それが…

 

レトロフリークのレビュー

SFメモリカセットってレトロフリークで動かないんですよ。レトロフリークとはサイバーガジェット社が発売した1台で11機種のゲーム機用カートリッジを接続してプレイできるレトロゲーム互換機で、ゲームデータを本体(MicroSD)に保存して手軽に遊べる優れたゲーム機です。レトロフリークの詳細は上のリンクからご覧いただくとして、通常のアクションゲームとかなら実機で遊んでも全然良いのですが、トラキア776はレトロフリークで遊びたい理由があるのです。

まず、バックアップ電池の容量が怪しかった事。スーパーファミコンソフトはバックアップ電池(ボタン電池)が電池切れだとゲームデータをセーブできない(してもすぐ消える)んです。それはSFメモリカセットも同じで、このトラキア776はゲームを立ち上げた時にセーブデータが残っていなかったのでおそらく電池切れ。つまり実機で遊んでもセーブできないんです…長くプレイしないとクリアできないゲームなのでこれは致命的ですが、専用のドライバーを購入してカセットを開ければ何とか電池交換することも可能。しかしレトロフリークならそもそも電池切れでも本体内にセーブされるので気にする必要が無い訳です。

で、仮にセーブができても実機だともうひとつ避けられない問題があります。それはこのトラキア776、難易度が絶望的に高い。ファイアーエムブレムシリーズはファミコンからニンテンドーSwitchまで色んなゲーム機で新作が発売されていますがどれもやりごたえのある難しさだけど、このトラキア776はそのファイアーエムブレムシリーズで1,2を争う難易度となっています。チートを使うのは嫌だけどレトロフリークの「いつでもセーブロード機能」くらいは使えないと時間にゆとりのない大人はなかなか前に進むことが出来ないのです…

しかしながらレトロフリークはSFメモリカセット未対応なのだからどうしようもない訳ですが、実は例外がありまして。

SFメモリカセットの特色として32Mビットのフラッシュメモリが8分割されて容量内であれば1つのカセットに複数のゲームを入れることが出来ました。単位がFで1F=4Mビットで例とすると「ゲームAが4F、ゲームBが2F、ゲームCが2F」でこの様に1つのSFメモリカセットに3つゲームを入れられたのです。

で、レトロフリークで読み込むSFメモリソフトの例外が、1つのゲームで8F、つまりフラッシュメモリ32Mビット使い切っているゲームのみ読み込むことが出来るんです。ただ、読み込ませるまでが結構な修羅の道でして、普通にカートリッジに差したくらいでは読み込まないし認識しないんです。

具体的にどうやるかというと、レトロフリークにSFメモリカセットを何回も何回も抜き差ししてレトロフリークがたまにバカになった時にソフトが読み込まれます笑。しかしただ読み込まれても起動されることが稀で、読み込み中さらにレトロフリークがアホになっているときちんとゲームデータとして認識されるのです。

ようするに何回もがっちゃがっちゃと力技でカセットを抜き差しするだけ笑。読み込まないデータは即消してまたガチャガチャやります。レトロフリーク、SFメモリカセットどちらもぶっ壊れそうになるので潤滑油代わりの接点復活剤は必須です。

で、小一時間ほどガチャガチャを繰り返すと、

 

こういう感じでレトロフリークでトラキア776が遊べるようになります。タイトルがUnknownになってしまっているけどこちらも気になる方はパソコンを使えば直すことが出来ます。わたしは遊べれば気にしないので直しませんが気になる方はググってください笑

と、いうわけでどこに需要があるのかわからないトラキア776とSFメモリカセットのお話でした。もし、トラキア776で遊びたい方がいらっしゃったら参考になれば幸いです。ただ、今までの傾向からおそらくニンテンドーSwitchでもそのうちトラキア776が配信されると思いますのでそれを待つ方が手間もお金もかからないと正直思います笑

 

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