味噌二郎!?【らーめん工房味噌屋岩沼分店】

 

えええぇ

通りかかってこの幟を見た時、こんな声が出ました…

 

 

ラーメン二郎様(らーめんじろう、以下二郎、敬称略)は、1968年(昭和43年)に創業した東京都港区三田に本店を構える超人気ラーメン店。ボリュームと強烈でクセになる味が特徴なのは言わずと知れた話。「ラーメン二郎」が店主・創業者である山田拓美さんが登録商標しているのも有名。

二郎のラーメンは色々な所でレシピが考察されていて結構真似しやすい。公開されているレシピから抜粋すると、スープは豚の背脂、豚のウデ肉(ブタ)に豚骨(入れないお店もあるようです)とニンニクネギ玉ねぎ等の香味野菜を煮込んで作る。スープを煮込んで水とアブラを「乳化」されるお店とそこまでがっつり煮込まない「非乳化」のお店があったりする。

カエシと呼ばれる醤油ダレは醤油にうま味調味料が追加された二郎専用の「カネシ醤油」(二郎専用じゃないカネシ醤油はうま味調味料の入っていない普通の醤油)+うまみ調味料のグルエース(現在はFZ醤油(ラーメン二郎専用しょうゆ)という二郎にしか降ろしていない醤油で作られています)でブタの味付けにも使用。一般的には醤油にグルエースをブレンドしてカエシを再現しているお店が多い。

麺は日清製粉のオーションという小麦粉100%の極太ストレート麺、ヤサイはもやしとキャベツを盛りよく載せて出来上がったラーメンに細かく切った背脂(アブラ)とニンニクをトッピング…

と、二郎と全く同じものは難しい(そもそも二郎自体店舗によって味に違いがある)けど何となく二郎に寄せたラーメンを作るのは公表されているレシピに従えば比較的容易だったりします。

なのでそんな二郎にあやかって「ガッツリ系」とか「G系」なんて付けつつ二郎インスパイアのラーメンを出すお店は多々ありますが…味噌ラーメンとは言え「二郎」の文字をそのままつけているお店は初めて見たのでちょっとびっくりしました。余談ですがラーメン二郎京成大久保店に味噌味があるそうです。

 

そんな「味噌二郎」の幟を掲げて営業していたのは「らーめん工房味噌屋岩沼分店様(以下味噌屋、敬称略)」。1977年(昭和52年)福島県は磐梯熱海で創業した味噌ラーメン専門のお店、その岩沼分店。味噌屋の味噌ラーメンは今時の脂っこい感じではない、どこか懐かしいさらっとしたあっさり系の味噌ラーメン。香油がかかってはいるけどよく昭和~平成初期にロードサイドに点在した「ラーメンハウス」で提供されていたさらさらした味噌ラーメンを思い出します。何度かお邪魔して味噌ラーメンを頂いてましたが先日通りかかった時上記の幟を見てしまい、確認のためすぐに入店。

 

店内メニューにも注文用タブレットにも堂々と「味噌二郎」の文字が…何というか、全国各地至る所に二郎系・G系・ガッツリ系・二郎インスパイアなんて呼ばれるお店があり、二郎「系」と謳う事はあれど、暗黙の了解のように「二郎」って2文字では使っていないんですよ。店名にも入れないしメニューに使われているのもあまり見かけない。

なので味噌と付きつつもメニュー名に「二郎」なんて入っているからにはどれだけ二郎なんだろうと思いつつオーダー。ニンニク・ヤサイ・アブラの量は選べたのですべて「マシマシ」で注文。というか注文時にこれが選べる地点で二郎じゃない気がします。二郎はラーメンが出来上がった時に聞かれるので…

 

待つこと数分。到着したのがこちらのラーメン。こぼれない様に丼の中に丼がある仕様。上の黒いのが背脂(アブラ)でカエシで味付けしてあり、ヤサイは茹でたてでシャッキリしてます。っていうかこのラーメンが到着してすぐ気づいたのですがスープがいつもの味噌屋のさらさらスープなんですよね…脂っこさをまるで感じない。まずはスープを一口頂く…やっぱりいつもの味噌屋の、塩気があまりないかなり甘めのあっさりスープです。優勝軒の角ふじ麺の味噌味がかなり甘めですがそれに近い感じ。

 

中身をひっくり返して麺を見てみる。もやしより少し太いくらいの中太ストレート麺。ここも二郎を名乗るならもう一回り太い方がいいのではないかと思う。ボリュームに関しては値段の割に(850円)いい感じ。麺の大盛(+130円)もできなくてもしなくとも十分な量があります。

…が、甘めで上にのっているアブラを解いても脂っこさをあまり感じないスープにちょっと苦戦。二郎系を食すとなると口がしょっぱめ気分になるのですが、甘めだと肩透かしを食らった気分になります。二郎だと塩味を調節するようにカエシがテーブルの上においてあったりオーダーで「カラメ(しょっぱめ)」が選べるんだけど味噌味だからか塩味は調節できません。

 

そんな訳で完食。G系・二郎系インスパイアのお店ってしょっぱいからスープまで飲み干すことは個人的にあまりないんだけど、味噌二郎は薄味なので余裕で飲み干せました。

感想はもっとしょっぱくてもっとうま味調味料を入れてもっと太麺にしてもっともっとアブラっこくすれば二郎インスパイアっぽくなるんじゃないでしょうか。現状この味噌二郎は甘めのあっさり味噌タンメンっていう方がしっくりくると思います。ただ、どんなに二郎に寄ったラーメンができたとしても直系以外で「二郎」と使うのはどうなのかなぁと個人的には思います。ラーメン二郎って「ジロリアン」と呼ばれる熱狂的なファンがいるのですがその方々がこの味噌二郎を食したら何を思うんでしょうね…悪いこと言わないから今のうちに「ガッツリ系味噌豚そば」あたりに改名した方がいいと思います…

優勝軒の角ふじ麺味噌味が好きとか、味噌味で甘めのあっさりスープが好き、タンメンも好き、中太麺も好き!という方には量もそれなりにあるしお勧めできるんですが、正直な話「これぞまさしく脂っこくて太麺でしょっぱい二郎の味噌味だ!」ではないのでこれから食しに行かれる方はご注意を。個人的にまた味噌屋に訪問した際は普通の味噌ラーメンを食すと思います。さらっとしてどこか懐かしいノスタルジックな味噌ラーメンはそれはそれで貴重ですから。

※記事を書いた後に気づいたのですが、長野県のとあるお店をはじめ全国でポツポツとそのまんま「味噌二郎」というメニューを提供しているお店があるみたいです。味以前の問題としてやっぱり直系のお店じゃないのにあんまり二郎ってメニューにつけるのはどうかと思いますがね。

 

らーめん工房味噌屋 岩沼分店
宮城県岩沼市桜5-322-1
営業時間 11:00-16:00(水曜木曜15:30) 18:00-20:30
水曜木曜夜の部営業無し

公式サイト

http://misoya.info/

 

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