東和季の子工房(福島県二本松市)
ふと、きのこの生産って農業になるのか、はたまたおがくずや原木を使っているので林業になるのか、あるいは施設での生産になるから工業になるのか、その辺の事をわたしは知らなかったので調べてみたらきのこ生産は「農林水産省」管轄の事業になるから農業なんですね。よく考えてみればそりゃそうなんだけど、きのこって野菜ではなく特用林産物に指定されていますから林業でもおかしくないよなぁと思ったり。
と、いうわけで師匠(わたしが大学の時のゼミ長)のお供で先日二本松市をぐるぐるとまわって一泊したお宿がこちらの「民宿季の子工房」さん。きのこではなく季の子っておしゃれですねぇ。こちらはなめこ栽培が本業の農家民宿で、福島県二本松市の旧東和町と呼ばれる地域では結構このような農家さんが営んでいる農家民宿があるんですよ。前回の訪問で泊まった大野さんの民宿も農家民宿ですしね。
民宿の他にも完全予約制の「農家レストラン」もされている季の子工房さんはとにかく作りがオシャレ。大野さんの民宿は「親戚のうちでくつろぐイメージ」ですがこちらは「リゾート地のペンション」みたいな感じ。どちらも魅力がありますし、農家民宿っていろんなパターンがあるんだなぁと実感しました。
こちらの薪ストーブが有るラウンジでチェックを済ませ、2階の和室に案内されました。チェック後、夕食の前にお風呂を進められるのは他の農家民宿さんでも一緒ですね。寝室である和室と金色の浴槽にタイル張りの懐かしいお風呂は薪で焚いているそうです。わたしのばあちゃんちがこの銀色の浴槽だったなー…
で、お風呂の前にこちらの食堂に案内されました。食堂の内装は業者に頼んだのではなく自分たちで作り上げたそうです。すごい雰囲気がありますねぇ…で、ひとつイベントが有りまして…
なめこピザ作り体験!美人な奥様のレクチャーに従ってパン生地を伸ばしなめこピザを作っていきます。なめこってねちょねちょのイメージがわたしにはあったのですが、採れたてで無洗のなめこはぬめりがないんですよね。菌床のまま現れたなめこをハサミで切り取ってピザメイクをしていきます。
ソースは味噌ベースでチーズやシソをトッピング…この作業を師匠とキャッキャいいながら行いました。冷静に考えるとおっさんとおじいちゃんがはしゃいで作業しているというなかなかお見苦しい構図なのですが、楽しかったから仕方ない笑。それにしても味の想像が付きませんねぇ味噌味のピザかぁ…
ってことで夕食の開始です。夕食はパティシエの資格も持っているイケメン長身ご主人が作るようで、コンソメや粉末ダシを使わないメニューだそうです。ピザは夕食の途中で出してくれるとのこと。てか、美男美女夫婦だなー。お子さんもかわいいし。
お風呂のあとに夕食の開始。なんというか小物までオシャレだなぁと感じました。お水は井戸水をろ過装置に通したもので、ほのかな甘味を感じます。
前菜。奥様が丁寧に説明してくれたけど忘れてしまったのでなんとなくで料理を説明します笑。左からドライトマトが入ったキッシュ(多分笑)なめこの天ぷら、自家製ソースのバーニャカウダ。どれも美味しかったのですが特になめこの天ぷらがお初の味ですっごい美味しかったです。前述の通りなめこは洗っていないとぬめりが出ないのでこういう料理ができるんですね。自宅で再現するのは相当難易度が高いだろうけどこれは絶品ですね…
飲み物は以前記事にしたなのくさナノブルワリーさんのりんご入り発泡酒「アップルエール」を出していただきました。前回いただいたのはハーブ入りで独特の癖がありましたがこちらはりんごが効いていて炭酸りんごジュースに近い感じ。でも、後味はしっかりビールですね。
かぼちゃのスープ。シナモンがおしゃれな感じですね。甘みがありかぼちゃの味がばっちり感じることができました。これを無添加で作るのは大変そうだなぁ…
お酒はこれまた前回訪れた「ふくしま農家の夢ワイン」さんのシードルを。以前ワインは頂いたので今回はシードルにしたのですがこれもすごい美味しく美味しくいただきました。青りんごのほうが5%で赤りんごのほうが8%…糖度でアルコールの高さが変わるのかなぁ。個人的には青りんごのがさっぱりとしていて好みでした笑
焼き上がったピザ。なめこに味噌のピザ…はてどんな味なのかといただいてまーびっくり…すごく美味しい…甘めの味噌とシソなので結構田舎にある味噌をシソで巻いて揚げてある「シソミソ」風の味ですがそこにチーズが加わって、さらにコリコリと非常に歯ざわりのよいなめこが加わって絶品でした。これ、ピザ生地もチーズもシソも味噌もおそらくなんとなく準備できるけど肝心のなめこが揃わないだろうから、まさにここだけの味って感じですな…このピザだけのために季の子工房さんに来たいなって思えるくらい美味しかったです!
お食事としてオレッキエッテ(たしか耳たぶって言っていた気がする笑)をドライトマトとしいたけであえたパスタ。ゆずが効いていてこれまたすごい美味しい。酒のアテとしてもばっちりな味でした…一品ずつ丁寧に作られていますねぇ…
デザート。アイスクリームにくるみ等のナッツと、焼きリンゴを添えてあります。これもおいしい。というかおいしいとしか言えない笑。この焼きリンゴもマルカりんご園さんのりんごだそうです。というか食材は結構近くの道の駅で揃えているみたいなのですごい地産地消の食事なのですがそこを謳っていないのがかっこいいですなぁ…
と、いうわけで大満足の夕食でした。
翌朝。宿の外を見てみるとこんな景色が広がっていまして。なんとなくとなりのトトロを思い出しました笑。昨日は到着した頃はもう薄暗くなっていたので気づかなかったけれども、こちらのお宿は尾根にぽつっとある感じなんですねぇ。車とカーナビがなかったら帰れる気がしない笑
朝ごはんはワンプレートにまとまって。夕食はご主人が担当で朝ごはんはご主人のお母さんが担当だそうです。真ん中にあるなめこをなめたけのような味付けにしたやつは小さいなめこを集めて作っているそうでこれがまたおいしい…お米は食べないようにしているのですがこのなめこを食べているとご飯が恋しくなります笑
朝ごはんの後になめこの栽培所を見学させていただきました。季の子工房さんではこのような施設が3つありなめこの植え付け時期をずらすことで通年出荷ができるようにしているそうです。なめこってこうやって栽培されているんですねぇ…ぬめぬめしているからもっとビチャビチャで栽培しているのかと思いました笑
瓶におがくずを詰め殺菌処理をし冷やしたら菌床を植え付けて育てていくそうです。一度刈り取ってももう1度収穫ができるとか。それ以上もできるけどだんだん不揃いになったり傷んだ部分が出てくるから2度収穫でおさえているみたいですね。
と、いうわけで東和季の子工房さんのご紹介でした。見ての通りご飯が美味しく山小屋のような気分の味わえる農家民宿で楽しかったです。ケータイの電波の入りはあまりよろしくない地域ですが、ゲスト用のWi-Fiが完備されているのでスマホ依存症のわたしでも安心でした笑
万人におすすめできる東和季の子工房さんですが、最近の流行り病の影響で場合によってはお引き受けできないみたいです。最近の社会情勢を考えたら仕方ないですよね…
しかしながらご飯も宿もかなりいい感じなので、変わった感じの宿泊所をお探しの方はぜひ利用してみてください。農家民宿って面白いですねぇ。もちろん農家レストランだけのご利用も可能ですが、3日前までの完全予約制で10名までの利用者受付みたいです。宿泊も1日1組、6名までと制限があります。なので興味がある方は下記に季の子工房さんのリンクを貼っておきますのでまずはそちらで詳細をご確認ください。
いやほんと、なめこピザ美味しかったなぁ…うちでは再現できないよなぁ…
東和季の子工房(民宿季の子工房)
福島県二本松市太田一本松7
webサイト:http://www.kinokokoubou.com/
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