伝説の格ゲー
格ゲーとは「対戦型格闘ゲーム」の事を指し、プレイヤーとコンピュータ、あるいはプレイヤー同士が操作するキャラクターが、主に1対1の格闘技で戦う対戦型コンピュータゲームの事を言う。火付け役となったのはカプコン制作の格ゲー「ストリートファイターⅡ」通称ストⅡで、1991年にアーケードゲームとして登場し、爆発的ヒットを記録した。
このストⅡの登場後、SNKを始めとした色んなゲーム会社がこぞって格ゲーを制作し、名作として今でも残っているタイトルもあるが、多くの格ゲーは有象無象の類として忘れ去られている。と、いうか1対1で戦うところこそ一緒だけどシステムの作り込みが甘く、はっきりいって全然面白くない格ゲーが当時は乱発されていたんですよね。
そのようないわゆるク○ゲーがアーケード(ゲームセンター等業務用ゲーム)コンシューマー(家庭用ゲーム)問わず乱発されていて、なかなかカオスな時代が1990年代にはありました。
オリジナルの格闘ゲームがそんな感じでやばいのが多かったので、そういうのを避けてアーケードゲームの移植作品を購入するも、スーパーファミコン辺りまではアーケードからの移植って容量の関係から結構再現度が低かったんです。あまりにも移植のデキがアレだった〇〇〇〇とかは半笑いで逆に楽しめたりしましたが、アーケードからの格ゲー移植作品はストⅡがダントツで面白い、そんな時代が1996年くらいまで続いていたのです。
その後、コンシューマー機のメインがメガドライブやスーパーファミコンからセガサターンやプレイステーションに移り変わった頃には容量の問題が解決し、アーケードからの移植作品の出来がとんでもなくお粗末なんてことは次第に少なくなっていきました。
そんなわけで前置きが長くなりましたが、そんな格ゲーが乱立していて混沌としていた時代に突如現れた伝説の格ゲーを本日は紹介したいと思います。
格ゲーは色々なハードで発売されましたが、その中でも当時1990年代前半に一番流行っていたスーパーファミコンがひときわ多くの格ゲーをリリースしていました。そんなスーパーファミコンの格ゲーで一番面白いのは何?と聞かれたら間違いなく答えるのが、
新機動戦記ガンダムW
昔持っていたんだけどいつの間にか無くなっていたこのソフトを先日見つけて即購入しました。このソフトが発売された時、色んな理由が相まって割と期待されていなかった…少なくともわたしはガンダムWは好きだけどゲームはどうなのかなぁなんて思っていたんですよね。
と、言うのも今でこそそんな事はなくなったのですが、アニメや原作のある版権モノのゲーム、いわゆる「キャラゲー」って昔はすごいつまらないゲームが多かったんです。中には良作もあったけどつまらない方が圧倒的に多かった。昔はゲーム業界自体がバブリーで版権モノのキャラゲーはそんなに中身にこだわらなくても売れたからか、いつの間にか「キャラゲー=つまらない」の公式が出来上がっていたんですよね。
おまけにガンダムWって、当時テレビで放映されていたガンダムシリーズがVガンダム→Gガンダム→ガンダムW→ガンダムXと続いていったのですが、ガンダムWの前にテレビ放映されていたGガンダム…機動武闘伝Gガンダムはガンダムが殴り合うバトル物として制作され、最終回の必殺技で口があんぐりした思い出があるけどガンダムの新しい試みとしてはすごい面白かったアニメなのですが、このGガンダムのスーパーファミコンソフトの出来が…正直、上記で書いたいわゆる有象無象だったのです。
Gガンダムが放映中にソフトが発売されたこともありそこそこ売れていたし、わたしも当時購入したのですが、すぐ売りました。いろんなゲームがある中このゲームに時間をさくのがもったいないなぁと思ったからです。気になる方はYoutubeの動画をご覧になっていただければわたしの言いたいことがわかると思います。
で、その流れでのガンダムW…アニメは月並みな表現となりますが、すごい面白かったです。主人公が第一話でヒロインに向かって「お前を殺す」とか言っちゃうし、「ガンダムW つづく」で検索するとどう考えても続いていない続くが出てくるし、ミリアルド・ピースクラフト(cv子安武人さん)はめっちゃかっこいいしまともなのに悪役だしトレーズ・クシュリナーダ(cv置鮎龍太郎さん)の眉毛は大変なことになっているしで、面白くてきっちり全話見たんです。
そんなガンダムWの最終回放映日に発売されたスーパーファミコンソフト。前評判は正直良く解ってなかったのですが、とりあえず買って帰ってきてプレイしてすぐに、
めっちゃ面白いゲーム
だと気づきましたね。このスーパーファミコン用ソフトの新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUELは当然版権モノでキャラゲーですが、全くキャラに頼っていないんです。その証拠が「ボイスが一切ない」
Gガンダムのゲームは一応おまけ程度のキャラボイスが出ていたのですが、当時スーパーファミコンでボイス再生ってものすごい容量がかかる行為だったそうです。つまり、キャラボイスを入れれば入れるほど容量が切迫するのですがスーパーファミコンのガンダムWはボイスが一切ありません。ボイスが無い代わりにゲームが面白くなるように容量を全部ゲームシステムに振ったって感じです。
機械ものだけどなめらかにストレス無く操作できるモビルスーツ、コンボが繋がり追い打ちもできる、必殺技も超必殺技もありエフェクトがかっこいい、ダッシュとブーストの2種類を使い分けて爽快に敵を翻弄できる…などなど、語りだせばきりがないくらいいいところがあるんです。
見た目は普通の格ゲーだけど、操作すればその違いが明らかに体感できます。
残念ながら悪いところというか、操作できるキャラが9体+隠しの1体と格ゲーにしては少なめなのと、普通の格ゲーより若干複雑なので少し難しいところがあるのですが、それを振り払うくらい魅力のある作品です。このゲームは「ナツメ」という会社が制作したのですが、このガンダムWから「ナツメの作るガンダムゲームにハズレ無し」と言われるようになった、ある意味伝説の格ゲーなのです。
どのくらい伝説かと言うと、
台湾で勝手にコンバートされてスーパーファミコンのゲームがアーケードに移植されているんです笑
はっきりいってそんなことがされたゲームは他にないです笑。てか、完全に著作権とか無視の行為だけど台湾の人がやっちゃったことだからなぁ…しっかし改めてアーケードからコンシューマーに移植はよくあるけどコンシューマーからアーケードに移植って殆ど無いですからね、これはおそらくメーカーに許可をとっていないだろうけど…
そんなわけで、格ゲーが好きでまだこのガンダムWをプレイしたことのない人は是非遊んでみて下さい。現代でも通じつゲームシステムとなっていてきっと驚くと思いますよ。ちなみに隠しキャラを含めないとシェンロンがめっちゃ強いので対戦で使うと嫌われます笑
タイトルで流れるTWO-MIXのRHYTHM EMOTION(歌なし)も必聴です。とにかくすべてがかっこいいこのガンダムWのゲーム、一度遊んでみて下さいね。