お金を持っているフリをする訳

それなりに長く保険業を営んでいると、お客さんに「保険屋さんはお金もっているよねー」と言われたりすることが度々ありました。どうしてそう思うんですか?と聞き返すと保険屋さんの乗っている車がいい車だったり身につけていた時計が高級品だったり毎回訪問の際にお土産を持ってきてくれたり等々…つまりは羽振りが良さそうに見えるから、なんて答えが返ってきたりします。

 

保険の営業マンはそうじゃない人(固定給の人)もいますがだいたいはフルコミッション…つまり完全歩合の世界ですからサラリーマンでは到底稼げないくらい、同窓会で給料の話ができないくらいとてもお金を稼いでいる人ももちろんいます。

 

ですが、基本的に保険の営業マンは個人事業主と同じで商品が売れなければ給料にならないし、名目上はサラリーマンだけど経費は会社持ちではなく自分持ちだったりするので、思ったより稼げていない人も中にはいます。しかし、そんな人でもお金を持っているフリをしなければならないのです。今日はそんなお話。

 

とは言っても簡単な話で、結論から申しますと、

 

 

 

お金を持っていない人にお金は預けられない

 

 

ってみんなが考えるからです。ちょっと想像すればわかるんですが、知り合いではない人で、ひとりはそこそこの車に乗っていて身なりがきちっとしている小綺麗なおっさんと、ボロボロの原動機付自転車でやってきて身なりもだらしなく小汚いおっさんと、この二人が同じ金融商品を扱っていたらどちらと商談したいですか?ってことですな。

 

まず間違いなくみんな小綺麗なおっさんを皆さん選ぶと思いますし、それが当たり前ですよね。だってお金のトラブルやお金に関する犯罪をやらかすのはだいたいお金を持っていない人ですから、人は本能的にそれがわかっているので身なりがきちんとしていない人には金融のお話はお願いしないでしょう。知り合いならともかく。

 

と、言うわけで保険業界に限らず金融系の、お金がすごい絡む商品を取り扱う会社では身なりに関して結構厳しく注意されていると思います。個人的には小綺麗にしていればいいんじゃないの?って思うのですが、中にはお客様は頭の天辺からつま先まで見ているんだから身なりはおろか身につけている小物にまでこだわれ!っていう管理者(営業マンの上司)もいるんですよね。

 

その結果、髪はこざっぱりとした単発でツーブロック、ガタイがいい体育会系っぽい色黒の兄ちゃんで乗り付けてきた車はお高いやつ、スーツと靴もブランド物のお高いやつ、シャツはカフスボタンがつけられて時計は誰が見ても高いとわかるやつ、ネクタイピンも誰もが知っているブランドでバッグも高級そう、そしてペンを渡されればモンブラン…みたいな営業マンができあがるわけです。

保険外交員のご婦人もだいたいはなんとなくハイブランドっぽいので身を包んで、髪の毛もけっこうお金かかってそうだなーって思えるくらい気を使って、もちろん車もいい値段がしそうな車に乗ってやってきたりして、雰囲気を出してますよね。

 

そりゃこんな感じの人が営業で現れたら羽振りいいねぇって思うかもしれませんが、最初に述べた通り実際に稼いでいる人もいるけど実はそうでもない人もそれなりにいるんですよね。

 

なんでそれがわかるのかと言うと、保険の営業会社は営業成績…数字って社員だったら誰でも見れるようになっていたりするんですよ。で、フルコミッションだからどのくらい数字を上げたらこのくらいの給料になる、というのは社員であれば自然とわかるんですよね。周りの人も自分も同じものを扱っているわけですし。

全部営業成績を公表していない会社でも、売上のいい人は表彰されたりするので、それでなんとなくどのくらい数字をあげたのかわかるというか、表彰されてないってことは数字が上がっていない=給与がそれなり、なんてわかりますよね。

 

なので、数字が上がった月は結構稼いでるねーおごってーなんて同僚に言われたりするんですが、わたしはそれがまぁ嫌でして。人の財布覗いてくるなよって思っちゃうんですよね。こんなのもわたしが独立した理由であります笑

 

それで、わたしが勤めていた所はそこまでではなかったんですが、聞いた所によるとある保険会社の場合、営業マンが数字を上げるとご褒美で海外旅行に連れて行かれたりしたそうで。そこまではどこでもあったと思いますが、その保険会社は数字を上げた営業マンは旅行先で上司によってハイブランドのお店に連れて行かれて、ロレックスだのウブロだのすっごい高い時計等、仕事で身につけていけそうな商品を買わされるんだそうです。

 

旅行に行かなくても、ある日上司にドライブに付き合えって言われてノコノコついていくと、そのまま高級外車を扱っているお店に連れて行かれてあれよあれよと契約させたりするそうです。高い時計や車を営業マンに買わせる意図も明白で、そんな物買ってしまったら死ぬ気で働かないと破産してしまうからですよね。

 

最近はそうでもないのですが、昔は部下の稼いだ金額で自分の給料が変わる上司っていうのが保険会社の管理職だったことが多いですから、自分の収入のために部下にローンを組ませてまでブランドで固めようとする…そういう事をする人がいたんでしょうね。まぁ部下も死ぬ気で働いて数字が上がれば収入も上がるので一概に悪いとは言えないけど、わたしはそんなのは嫌ですわ。

 

さすがにそれはちょっと…って考える保険会社が増えたからか管理職は固定給の所も今はボチボチとあるそうです。ただ、そうすると今度は本当に現場のことが解っていない上司になったりするんですよね…うーん一長一短…

 

まぁそんなわけで保険の営業マンに限らず金融系の営業マンが羽振りが良さそうに見えるのは、そう見えないとお客様がお金を預けてくれないからというお話でした。同業だからか道を歩いていてよく見ているとすぐわかるんですよね金融系の人って男性でも女性でも。みんな気をつけているんですねぇ。

 

ちなみにこの「羽振りが良さそうに見えないとお金を預けない」という事実を悪用する人も世の中に入るわけです。情報商材を取り扱っていたり、いわゆるマルチ商法の勧誘をしてくる人だったり…つまり詐欺または限りなく黒に近いグレーの事を行っている人たちです。彼らは身なりだけは本当に立派ですしSNSでも羽振りがいい事を自慢しています。

 

そういう人はわたしはこんなに羽振りがいいのはこういう事をしてきたからで、あなたも一緒にやりませんか?って言うために身なりを固めていますからね。そうやって自分の餌になるカモを探しているんです。なのでお金を持っていそうな身なりをしている人を見かけると逆に怪しんでしまうおよでした。

 

というか、本当に儲かることだったら人を誘わないで自分一人でやりますよね。本当に儲かっている人のお話はみんなお金を払って聞きに行くものですよ…

 

余談というか、じゃあお前はどうなんだって思われそうな記事なので説明しますと、わたしは小汚く見えないように気をつけていますがハイブランド品や時計は身につけていません。そこまでして自分を着飾ってもこの日常記録という日記を見られたらどんな人かすぐ解りますからね笑。見られても恥ずかしいことは書いてませんけども笑

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