クラウドさんの格闘ゲーム

そいつには苦い思い出がある。

時を遡ること26年前、1994年およ中学2年生の冬…12月3日に初代プレイステーションが販売される。ローンチタイトル(新しくゲーム機を発売する際、同時に発売されるゲームソフトの事)である極上パロディウスが大好きだったので近所のカメレオンクラブで本体と極上パロディウス、同じくローンチタイトルのリッジレーサーを予約して購入した。

初めてプレイステーションをプレイしたときの感想は月並みではあるが、「コレが家でできてしまうのか!」である。今までのゲーム機に比べてすごい綺麗なグラフィック、リッジレーサーもそうだけどゲームセンターで最新のゲームが自宅でほぼそのまま遊べる事にただただ驚いたのであった。

スーパーファミコンやメガドライブ、PCエンジンもソフトメーカーががんばって日々すごい味のあるソフトを作っていたが、もうこれは旧マシンと次世代機では土台が違うので勝負にならないだろうなと感じた。軽自動車のレースにランエボやインプレッサが混じったような話だ。

2台車名を上げたのにも理由があって、初代プレイステーションが発売される11日前の11月22日にセガの次世代機であるセガサターンが発売されていたからで、次世代機と言われたこの2台で今後ゲーム業界はどう進化していくのかと当時のキッズはワクワクしたものだ。

ちなみに、プレイステーションの20日後にPCエンジンの次世代機であるPC-FXが発売され、これもすごいマシンではあったものの肝心のソフトがセガサターンやプレイステーションより弱く、いまいちパッとしないまま市場から姿を消してしまった。

 

-時は過ぎて96年。当然わたしはプレイステーションで遊び倒しているのかというとそうでもなくて、95年およ中学3年生の時は受験なんてなんのそのとプレイステーションで闘神伝やジャンピングフラッシュ、鉄拳なんてソフトを遊び倒していたのだけど、96年になると後から購入したセガサターンでばかり遊ぶようになる。理由は、当時わたしは格闘ゲームばかりプレイしていたからだ。

格闘ゲームはストリートファイターⅡからブレイクした1対1でバトルするゲームで、特に格闘ゲームで大好きで、ゲームセンターに行っては散財をしまくっていたカプコンの「ヴァンパイアハンター」が96年2月にセガサターンで発売されてから余計にプレイステーションで遊ばなくなってしまう。同じ格闘ゲームがセガサターンとプレイステーションで同時に発売されることがあったが、格闘ゲームをプレイする時、圧倒的にセガサターンのコントローラーの方がプレイしやすかったのもあり、ますますプレイステーションのソフトを買わなくなってしまう。

 

96年の10月。わたしは免許を取り初めて原付を購入する。YAMAHAのTDR50という、デュアルパーパス車でオンロードもオフロードも遊べるバイクで、自分の力以外で動く乗り物を覚えてコレは面白いとなり、ゲームはそっちのけになり地元のお友達とバイクで走りバイクで遊ぶ、バイク漬けの生活となる。

それまでチャリンカーだったわたしだが、自転車に比べてバイクはとてもお金がかかる…今にして思えば原付だしそんなびっくりするくらいお金がかかるわけではなかったけど、当時はアルバイトをする高校生。んーそろそろゲームで遊ぶ年でもないかなぁと思っていた所で同級生のクサカくんがプレイステーションを欲しがっていたのだ。

割と高額な本体だったのでちょっと悩んだけどどうせセガサターンばっかりプレイしているし、バイクはお金がかかる、ということでプレイステーションとソフトを全部まとめてクサカくんに売り渡したのであった。それが96年の12月頃と記憶している。

 

ー年が明けて97年の1月。世間を驚かせたドラゴンクエストと双璧をなす国民的ロールプレイングゲーム、ファイナルファンタジー7がプレイステーションで発売される。次世代機が発売されて1年と少し経った頃までは結構セガサターンもやるなぁって感じだったのだが、96年1月にファイナルファンタジー7がプレイステーションで発売すると発表され、それが決め手となり次世代機の争いの終了となった。

ファイナルファンタジー7が発売されてわたしは6までプレイしていたこともありちょっと気になったものの、97年になればもうセガサターンの「拡張RAMカートリッジ」対応格闘ゲームに夢中だった。コレは何かというとセガサターンにファミコンカセットみたいな拡張RAMを差し込むことで当時格闘ゲームで鬱陶しさを覚えた「読み込み時間」が大幅に短縮されるのである。

この拡張RAM対応のセガサターンとプレイステーションとでは、同じゲームなのに天と地の差があるように感じたほどだ。それほど当時の格闘ゲームはロード時間が長かった。この拡張RAM対応のおかげでしばしプレイステーションの事は忘れ、バイクに乗っている時以外はセガサターンに没頭する日々が続くのであった。

 

-98年の12月。それはゲーム屋の店頭に置かれているテレビから映像が流れていた。この頃にはもうほとんどゲームセンターには行かずセガサターンの格闘ゲームで満足していたわたしはそれを見てかなり衝撃を受けたのだ。対戦格闘ゲームなのにキャラがマップを自由に駆け回り、ド派手な殴り合いを行っている。そして軽快に動くファイナルファンタジー7の主人公クラウド…なんだこのゲームは…

そのゲームはスクウェア(現スクウェアエニックス)から98年12月に発売されたエアガイツというゲームである。空間を自由に動く格闘ゲームは他にもあったけど、これはとにかく軽やかにキャラが動き回り、さらに別ゲームの主人公がグリングリン回りながら剣を振り回して戦っている。なんて面白そうなゲームなんだ…と、正直に思った。すぐにでもプレイステーション本体をまた買ってプレイしたい…けど…

98年の12月、わたしは高校生にとってはかなりでかい買い物をしている。もう時効だろうから書いてしまうが、バイク好きが極まって高校生の分際で大型自動二輪免許をとって大型バイクを購入したのだ。買ったバイクはGPZ900R、初代ニンジャと呼ばれ最高速250キロのトンデモマシンだった。

免許代やバイク代はそりゃ今でもうーんって唸ってしまうくらい高額だったし、そんなでかい買い物をしたばっかりなのにプレイステーションとゲームを買う余裕なんか無いだろう。無い。無いけど、やっぱりプレイしたいすごく面白そうだもの…

 

って事で、

99年1月、無茶苦茶無理をして初代プレイステーションとエアガイツを購入。免許代とバイク代でケツの毛まで抜かれているのにさらに内蔵まで抜かれたようなもんだ。だが仕方ない、エアガイツが面白そうなんだもの!ええいままよ!と、早速プレイする!5分後、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわぁつまんねぇ…

とまでは言わないけど、なんとなく微妙なエアガイツ…自由にフィールドを駆け回れるけど、なんというか、他の格闘ゲームに比べて動きが大味なんですよね。敵との駆け引き読み合いで勝負というよりはド派手な技をバンバン出してガンガン攻めれば勝ちというか…特にひどいと思ったのがクラウド。剣を出してブンブン振りまわしているだけで敵に勝ててしまう

もちろん有識者のプレイを見たわけではないし、もっと底が深いのかも知れないけど、結果論で言えばエアガイツは2などの続編が出ていないって事はそういうことなのだろう。どういうことなのかは敢えて言わない。わたしには合わなかったということでエアガイツはのりさんにあげてしまった。残ったのはお金に苦しい生活とプレイステーション本体。また本体を売るのも癪なので、当時もう中古で格安になっていたファイナルファンタジー7を購入して楽しみましたよ。ええ。スノーボード楽しかったです笑

 

 

 

 

 

 

時は流れて、20年5月。つまりすごい最近のことである。そんなエアガイツの事を、もう亡くなってしまった大塚ギチさんのこの記事を見て思い出す。ああ、そういえばそんなゲームあったっけなぁと。そしてこの記事にはエアガイツに熱くなった人のことが書かれているのだが、そういう人もいるんだなぁって思っていた。

そんな記事を見かけてエアガイツ思い出すと、すごい偶然というか、ふらっと寄ったシーガルという中古ゲームを取り扱う宮城県を中心に展開するお店のワゴンセールの中でこれを見つけてしまう。あえて、値札はそのままで写真を貼りたいと思う。

 

 

 

 

今となっては缶コーヒーより安い値段で売られているエアガイツを見かけてしまい思わず手にとってしまう…実に21年ぶりの再開だ。

まぁ当時は2Dの格闘ゲームばっかりプレイしていたから受け付けなかっただけかも知れないし、何より大塚ギチさんの記事を見ているとエアガイツがすごく面白そうだなぁって思えてくるわけですよ。そんなわけで帰宅後、プレイステーション2にエアガイツを打ち込んで早速プレイ。5分後、

 

 

 

 

 

やっぱりびみょう笑

続編が作られてないゲームがこの価格で投げ売りされているんだからそりゃそうなんだろうけど、わたしにはどうしても大味に感じてしまうこのゲーム。でも、せっかく21年ぶりに手に入れた事だしもうちょっと楽しめないか模索してみることにします笑

そんな、久々にエアガイツを買ってプレイしたらこんな感じでしたって記事でしたとさ笑。好きな人はどうすれば面白いのか教えてほしいです笑

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