あの子は可愛い豚汁娘


およさん!僕恋をしちゃったんですよ!

 

とある昼下がりの社用車内、当サイトの記事によく出てくるわたしの上席がたけさんだった頃の会社でのこと。年下の後輩君…元うちいくTVのナカキンさんに似ていてひょろっとしているのでヒョロと呼ぶその彼が、突拍子もなしにそんな話をしだした。

 

ヒョロは、わたしの勤める会社の違う部署に属するので普段は一緒に行動する事は無いはずなのだが、当時勤めていた会社は変な所がありまして、バタバタと人がやめていくのに補充はしない、替わりに人手が必要な時は系列の人をバンバン借りていいと言う指令がいつぞやわたしに下されたのです。

 

借りていいよと言われても、カフェとか花屋とか女性の多いグループ会社でしたので…事務作業やプレゼン、見積制作なんて内職は一人でもできるので、人手が必要な時は、力のいる仕事でマンパワーが欲しくなるのです。って力作業は女性にはやっぱり頼めないですし。違う部署なら尚更で…そうなると若くて力の有り余るヒョロしかお手伝いをお願いできる適材がいなかったのでした。

 

で、そんなヒョロにお手をちょくちょく借りていたある時、唐突に冒頭の台詞を言い出したんです。ん?誰に?花屋の子?って聞くと、

 


あの人達は怖いので無理無理

 

ああ、それは何となく解る。逆に母の日とか配達のお手伝いに行く事がありましたが、忙しい時の花屋って、女性の殺気がすごいわ…

 

じゃあ、誰なのさ?と聞くと、答えは意外なものでした。

 

「こないだ、およさんと一緒にお客さん先をまわっていた時に、豚汁屋見つけたじゃないですか。」

 

…ああ、確かにひっそりとあったね、豚汁屋。

 

「で、ちょっと気になったんで、休みの日に行ってみたんですよ、そこの豚汁屋に…」

 

…つまり、豚汁屋の娘に恋をしたのね。

 


ハイ!

 

目をランランとさせながらヒョロはそう返事をした。うんむ、恋をする事はいいことだ。がんばれよ!と、無責任にも程がある発言をすると…

 

「所が…」

 

とか言い出すヒョロ。なんだ所がって…店主の奥さんで人妻とかなの?と聞くとそうでもないらしい。ヒョロが話を続ける。

 

「なんか、僕の初恋の人に似てるんです、その子」

 

そうですか。良かったね。

 

「で、どうしたらいいのか解らないんで、とりあえずお店に通う事を決意したんです」

 

そうですか、がんばれ。

 

「でも…」

 

「その店、豚汁屋なのに豚汁がおいしくないんです!!」

 

ほぉ。

 

豚汁が美味しくないとは…そりゃなかなか無いね。ちなみにヒョロは結構何を食べても美味しいという味音痴タイプなのだけども…どこがおいしくないの?と聞くと、ありゃ豚汁じゃないっすよ!との答え。うむ、で?なんでそんな話をわたしにするのだ?

 

「豚汁はおいしくないんですけど、やっぱりあの子が気になりまして…でも、ちょっとおいしくないんで一人で行く気がしないんですよ、あんまりにもアレて…」

 

うん、何か解ったような気がする。もしかしてさ、ヒョロくん…そのお店に誰か一緒に行って欲しいんか?と聞くとまた目をキラキラさせて、


「はい!何か、うちの部署の人は美味しくないって言ったらみんな絶対行かないと言っていたんで!」

 

 

そりゃ好き好んで地雷を踏む人はいないじゃないか

 

で、こんな話をするって事は…

 

ええ、およさん一緒に行きましょうよ!とヒョロ。うーん…ちょっと嫌だけど、豚汁が美味しくないって話はちょっと気になるので一緒に行く約束をする。とりあえずヒョロ的には何回か通い常連さんと認識されてそのきになる豚汁娘とお話をしたいらしい…随分苦行がお好きなようで…

 

で、ちょっと月日は経ち、なかなか時間の作れなかった(その豚汁屋は閉店時間が早かった)わたしが、本日なら何とか豚汁屋の閉店前に間に合いそうだったのでヒョロにメール。今日なら何とかいけそうだ。するとヒョロは、

 

 

「行きましょう」

 

僅か2分後に返信が来た。そんなに豚汁娘が気になるのか…美味しくない豚汁も気になるがヒョロがそんなにお熱を上げる子もちょっと気になるな。

 

って事で仕事終わりにヒョロと待ち合わせ。合流した所で噂の豚汁屋に突撃する。ヒョロと店内へ。その途端、

 

 


なんだよ

 

 

と吐き捨てるヒョロ。おい、どうした?と聞いたら、どうも目的の子じゃない様子。そかぁ、まぁ仕方ないんかな…ってか、その子っていついるか解らないの?と聞いたら知らないらしい。それどころかヒョロは初入店後、2度ほど来ていたらしいが、いつも別な女の子だとか…なんでも店長らしき人と、女子大生のタッグがこのお店の従業員スタイルらしい。

ふーん、と言いつつ、まじまじとそのヒョロの思惑とは違う子を見てみる…って

 


かわいい

 

いや、お世辞抜きで可愛い子だ。髪型がショートの…広末涼子全盛のかほりがする子じゃないか…メガネじゃないのでわたしにはどうでもいいが。

 

ってかさ、この店の他の子ってどんな感じだったの?と聞くと、

 

いや、普通に可愛いっすよ、あの子ぐらいは。

 

と、ヒョロ…ちょっと待て、この豚汁屋さん…店長の趣味かどうか知らんが、

 

 

もしかしてみんな可愛い子がバイトの店なのか?

 

と、聞いたら、ヒョロは「まぁあの子よりは落ちますがね」とか言う。

 

何という戦略的な飲食店なんだ…美味しくない豚汁なのに店員はみんな可愛いお店…ってさ、そういやわたしはまだ食べて無かった。店内に漂う香りは悪くないのでホントに美味しくないのかと聞くと、ええ、とヒョロ。

 

とか、ひっそり会話をしていると、頼んだ物がやってきた。

 

 

 

ヒョロが頼んだのは、豚汁皿うどん。どうもふつうの豚汁定食は彼的に進まなかったみたいで色物を頼みやがった。あんかけになった豚汁がパリパリの皿うどんにかかっている一品。味はやっぱりこの店の豚汁らしい。てか、皿うどんに豚汁って後にも先にもこのお店でしか見たことがない。

 

 

 

それで、わたしが頼んだものは…

 

 

 

 

豚汁ラーメン

 

やっぱりわたしはラーメンが好きなので冒険するならラーメン。この店の豚汁に中華麺をぶち込んだだけと思われる食べ物である。皿うどんに続き後にも先にも豚汁のラーメンはこのお店以外ではお目にかかっていない。豚汁うどんならよく見かけるけども。さて、本当に美味しくないのかどうか確かめる時だな…一口スープってか豚汁をすする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おおうっ!

 

うまいとか、まずいとかじゃなく、純粋に豚汁って味じゃない…具は見ての通り豆腐、ネギ、豚肉のみなのだが米こうじが結構、いやかなり効いてきて、さらに調理カウンターに山盛り乗っかっているタマネギをふんだんに使っているからかスープがドロドロにしていて、味噌の香りがしない…というか塩味も出汁も感じない…好みの問題もあるけど、どう考えてもこれは豚汁じゃない…

 

 

一口食べてうわぁって顔をしていると、してやったり顔でヒョロが一言。

 

でしょ、すぐに飽きるでしょ?

 

確かに…ドロドロなのに味がないこれはいくら食に拘らないわたしでもきつい…好きな人は好きなんでしょうが、一般的な豚汁を思い浮かべて来きたら焦るねこれは…まぁ、残すのは嫌なのでなんとかなんとか食べきる。

 

店を出て、どうでした?とヒョロが一言。返事をしないでいると、うーんまぁ、わたしの好みではないかなぁ…そんなわたしを見て、

 


あの子と会って仲良くなるまでおよさんこの店に付き合って下さいね

 

との事。せめてそのヒョロが気になっている子が何曜日いるのか知りたい所だ…しっかし豚汁屋なのに豚汁がお口に合わない店の子に恋をするってただの罰ゲームな気もするんですが…てか何でわたしもさらっと巻き込まれているのだ…

 

 

 

 

それから数日後、ヒョロから電話がある。どうしたのー?と聞いたら、

 

 

 

 

 

あの店閉店してました!

 

との報告が。そっかーじゃあもうその女の子に会えないから残念だったなぁというと、

 

街中のカフェにかわいい子見つけたので大丈夫です!

 

そっか。切り替えが早いのはいいことやねヒョロくん笑。

 

 

 

と、まぁこんなやりとりをしたのがもう10年以上前なんですが、当時の写メを整理していたらこの世にも珍しい豚汁皿うどんと豚汁ラーメンの写メが出てきたので記事にしてみました笑

なんというか、うまいとかまずいじゃなくてもうわたしにもヒョロにも「豚汁はこういうもんだ」って固定観念があったんですよね。それから外れているから口に合わないって感じだったのかなぁと思います。味がしないって感じたのもわたしが普段ジャンクなもの食べてたからでしょうしね。今で言う意識高い系だったんだろうなぁ…

 

そんなヒョロも色んなお姉さんをかわいい可愛いと言っていた割には学生の時に付き合っていた子と結局結婚してましたね笑。そこで落ち着くならそんなフットワーク軽く出歩くなよと思いました。というわけで豚汁はやっぱり半田屋のが好きなおよがお送りしました笑。半田屋を熱く語っている記事は下記のリンクからご覧下さい笑

 

とても食べれません。中で十分です

 

 

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