第146震洋隊基地跡【宮城県東松島市】

少々前の事になるが、東京のお客様がこちらに遊びに来た時に行ってみたいとリクエストを受けて向かったのがタイトルにある「第146震洋隊基地跡」。それが何なのかは後々説明するとして、東松島市にある宮戸島という東松島市最大の湾にやってきた。宮戸「しま」と言っても陸続きで繋がっている。

Googleマップを頼りに到着したのが上の写真の場所。自然豊かで海が近く漁港があり、磯の香りが漂う時間の流れがゆっくりとした所である。ここからは徒歩でしか行けないみたいなので邪魔にならない所に車を停め、Googleマップを頼りに歩く。

 

 

 

道中、照明の無い閉所恐怖症の人は通るのを躊躇うトンネルが出てくる。トンネルの壁は写真3枚目の通り、ガリガリと何かで削って作られている、自然ではなく人工的に作られた様子が伺える。

このトンネルを抜けて更に前に進むと…

 

 

 

景観が美しいプライベートビーチの様な入り江だが不自然にコンクリートが打設された人工的な、何とも不思議な場所に出る。ここがどうやら第146震洋隊基地跡らしい。建物の基礎の様なものが残り、海へと続くレールが敷かれている。後で誰かがどこかに書いてあるのを目にしたがこのレールは戦後に敷かれたものなんだとか。

東京のお客様は自身の祖父が戦死した事を知ったのをきっかけに戦争にまつわる場所があるとその目で確認したくなるそうで、この場所は前々から来たかったものの車と土地勘が無いと厳しいという事で今まで訪れることができなかったという。

個人的な話だが東日本大震災までこの場所の最寄り駅になる野蒜駅(のびるえき、とは言っても駅から徒歩だとここまで2時間近くかかるみたいだが)の近くに親戚が住んでおり、また、東松島市の宮戸島周辺に広がる通称奥松島の海は穏やかに波が揺らいでいて綺麗で夏になるとよく遊びに来ていた場所でもあったがこの第146震洋隊基地跡については全く知らなかった。戦争の基地、海へと続くレールから何となく船を造っている場所なんだろうと思いお客様にはそこまで深い内容を尋ねず。お客様はこの光景をしっかりと目に焼き付けてご帰宅。大変有意義だったと御礼の言葉を頂く。

帰宅してこの場所の事を調べて愕然とする。第146震洋隊基地跡では予想通り船を造っていたのは造っていたみたいだが、そもそも震洋隊とは何かというとそのまま「震洋」に載る隊、との事。では震洋とは何かというと太平洋戦争末期に日本海軍が開発・運用したベニヤ板製の小型高速特攻モーターボートの事で爆薬を船首に積み搭乗員が敵艦に体当たりする小型船、所謂「人間魚雷」を指すという。

特攻機と言えば片道燃料と爆弾を積んで連合国艦船に体当たりした「神風特攻隊」があまりにも有名だがその船バージョンである震洋隊がある事をわたしは存じておらず、更にそんな基地がここ東松島市にある事も初耳だった。

昭和20年7月末、第2次世界大戦(太平洋戦争)の真っただ中、他国に攻め入られ本土決戦に備えた特攻部隊の「第146震洋隊」が編成され、その基地が極秘裏にこの場所に建造された。基地で何が行われているのかは当時地元の人ですら知らされていなかったという。程なく終戦し、この基地から震洋隊が発進する事は無かったそうだが、死地に向かう為自ら乗り込む小型船を造っていた兵隊さんの複雑な心境を想像すると物悲しくなり胸が痛む。

 

基地の周りにはこうした横穴が掘られここに震洋を隠していたんだとか。現在は漁師さんの道具が置かれている様子。

 

このコンクリートの建物には当時使われていたであろう電動のウインチが置かれていた。

震洋隊は1944年、終戦の一年前頃から武器不足を命で補う形で編成され、太平洋沿岸を中心にフィリピンや台湾等海外を含めると150近くの隊ののぼると言われている。その中で現存している場所としてはこの第146震洋隊基地跡が最大の番数らしい。震洋隊自体極秘作戦だった為正確な数値は公にされていないが終戦までに約2500名~3500名以上の、10代〜20代の若者が震洋で戦死したのではないかと推測されている。

実際にこの場所から震洋が発進することは無かったとはいえ、この東松島の地が特攻の拠点であったという事実は重い。今、わたし達が享受している平和がかつて自身の命を武器として捧げようとした若者たちの犠牲や葛藤の上に成り立っていることをこの基地跡は静かに、けれど強く問いかけている。二度とこのような場所が必要とされない未来を願わずにはいられない。

 

とりあえずトランプの親分はこういう所を見に来た方が良いと思ったおよでした。こういう場所はほんと普段の生活が平和である事を認識させられますね…前述の通り電車+徒歩ではかなり行きにくく、車でも土地勘が無いとなかなかたどり着けない場所ではありますがこの穏やかな風景は色々と考えさせられるので行く価値は十分にあると思います。

 

第146震洋隊基地跡【宮城県東松島市】
GoogleMap情報

 

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