サン・ファン・バウティスタ号(宮城県石巻市)
サン・ファン・バウティスタ号は、江戸時代初期に仙台藩で建造されたガレオン船で、仙台からスペイン(イスパニア)等に向かい、太平洋の横断に使用されました。
仙台藩の藩祖である伊達政宗が外国との貿易を行うために建造された船で、所有は仙台藩ですがスペインの技術で作られています。伊達政宗の名を受けた支倉常長が使節となり海外の国との貿易を目的とし、このサン・ファン・バウティスタ号で出港しました。この出来事は慶長遣欧使節と呼ばれています。
そんなサン・ファン・バイティスタ号の復元船が宮城県石巻市にあるサンファン館(サンファンパーク)に展示されているのですよ。
サンファン館は自然と共生型の展望棟とドック棟が丘陵地に組み込まれる形で設計され、1996年に開館しました。東日本大震災での大津波によりドック棟と復元船が大きな被害を受けましたが、国内外の多くの支援により復元船を修理し2013年に再開館を果たしました。その津波による被害の様子も展示されています。
写真の通りガラス張りの近代的な作りになっていてその秘密基地的な建物を見るだけでも結構わくわくできますね。
サンファン館の展示室では伊達政宗の歴史と支倉常長の7年にも及ぶ航海の記録を学ぶことができます。個人的のは船室のベッドが衝撃的でした。敢えて写真を貼りませんが…こんなんじゃ絶対に寝れないよなぁ…
サン・ファン・バウティスタ号は航海途中、とある事情で航海途中に売却されその後の行方はわかっていないのです。しかし、サン・ファン・バウティスタ号の正確な設計図は残っていなかったものの、仙台藩の史料「伊達治家記録」にサン・ファン・バウティスタ号の規模や帆柱について記録があり、これをもとに現代の造船工学でシミュレーションを行って船の復元がされました。
サン・ファン・バウティスタ号は上記の通り当時スペインの技術で作られた船ですから、昔のスペイン船も参考にされているようで、シミュレーションによる復元ではあるものの大分精巧に再現できている船なのです。
現在は老朽化を理由に船内に入る事はできないのですが、結構近くまで寄ることができます。全長55.35メートル、高さ48.8メートル、総トン数は387トンのサン・ファン・バウティスタ号に180人乗船して旅をしてんだなぁとこの船を見ながら思うと、なかなかに感慨深いものがあります。
船内には入れませんが、展示室内のシアタールームで船内の様子をVRで(と、言うかCG再現で)見ることができます。人の様子までは再現されていませんが、その映像を見るだけでこんなの絶対大変だったよなぁと考えさせられました。
それで、なぜこのサン・ファン・バウティスタ号を紹介させていただいたのかと言うと、
サンファンバウティスタ号は今後、2021年3月末で展示を終了し、その後に解体されてしまうそうです。復興途上である宮城県では新造船の予算を確保するのは難しく、存続をかけたクラウドファンディングなども検討されているようですが、修理しようにも木造船の船大工さんの高齢化で国内での修理は不可能みたいなんですよね。
逆に言えば海外にはまだ船大工さんがいらっしゃるんでしょうけども…てか、今後は今の木造船を解体し、今の4分の1サイズの復元船を樹脂製で作るなんてことになっていますが、それを作るならまた直したほうがいいような気がしするけど…大津波のダメージはリペアできたんだから。
と言うか、どうせお金をかけて解体するならワンピース作者の尾田栄一郎さんに貰っていただいて尾田さんのマネーパワーでサウザントサニー号にカスタムすればいいんじゃね?と思ったのですが既にハウステンボスにあるんですな。じゃあこっちはゴーイングメリー号だ!って思ったらそれは既にお台場にあるんですね…もはや尾田栄一郎さんに新しい第3の船にしてもらうしかないなぁ…
まぁ、どの道国内では貴重な木造船の展示が来年3月末までとのことですので、GOTOを機会に船を見に行くのはいい機会ではないでしょうか。なんでも、
来月の1日、2日、3日には、今年は全国的に珍しいイベントが行われる見たいです。ちゃんとごめんなさい、船には乗れませんと正直に書いてあるポスターに共感が持てますね笑。おそらく復元船がある状態では最後の出帆記念祭となると思われますので、興味がある方はぜひ訪問して見てくださいね。
サンファン館
宮城県石巻市渡波字大森30番地2
TEL 0225-24-2210
営業時間 9:30-16:30
定休日 火曜日