となりの雑草
今年の夏は猛暑だったから作業したらしんどいよなぁ…とか、少し気温が下がったと思ったら雨が降ってきてできなかった…とか、なぁなぁと怠っていた「草取り」作業を本日やっとこさ行いました。やっと日中の気温も落ち着いてきましたからね。して、もくもくと雑草を取り除いた結果、
取りも取ったりゴミ袋4つ分笑
仙台市指定ごみ袋(大)4つ分の雑草が生えていました…ちなみに大サイズのゴミ袋は45リットル入ります。それが4つってどんだけ豪邸なんだようちは…
枯れていたツゲも引っこ抜いたりしているので厳密に言えば雑草だけではないのですが、それにしても多い。うちは別に庭が広いわけではないのになんでこんな事になるのかと言うと、ずばり隣が空き家だからなんですよね。そしてその隣の家には結構広いお庭があるのです。
うちは端の家で風の通り道でもあるのでよく枯れ葉が集まります。うちに落葉樹はほとんど生えていないのに枯れ葉まみれになるのですが笑、枯れ葉が飛んでくるってことは雑草の「種」も風に乗ってやってきてしまうんですよね。それでいて隣は雑草がボーボーなのでもうどうしようもないんですよ。
まぁ、こうやって風に乗って飛んできた雑草は引っこ抜けば良いんですが、雑草ボーボーの隣が空き家問題が実は他にも有りまして。それは、
隣の雑草がどんどんうちに侵食してきているんです笑
ツル性の雑草はもとより、なんかよく解らない葉っぱまで入り込んできちゃっているという。なかなかの迷惑なんですが、この「となりの雑草」ってかなり厄介な問題なんですよね。なんせ、
他人の家の草を勝手に刈り取るのは「器物損壊罪」で違法なのです
実際には雑草が敷地に侵入してきた迷惑を回避するためと、民法の「緊急避難」が適用され損害賠償を請求されることはまず無いそうですが、迷惑の元となっている隣の家の雑草を無償で刈り取って、さらに捨てる作業までしてあげることになってしまいます。
んではどうしたら良いかと言うと、その答えも実は民法に記載されていて、民法第233条に、
第1項.隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
第2項.隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
と、あります。説明すると、第1項よりうちの敷地に入ってきた植物はその土地の所有者に「切って下さい」と依頼することが出来ます。さらに第2項より、根から…地面から敷地をまたいできた植物は引っこ抜いてもいいというルールになっているんですね。
つまり、上から敷地を超えてきた植物は土地の所有者に切ってくれとお願いし、下から敷地を超えてきた植物はそのまま引っこ抜いても良いという事です。ただ、あくまで民法233条第1項は「お願いする」だけなので強制力はありません。嫌だうちは植物を切りたくない!なんて言われてしまい隣の家と揉めた場合は、民法414条に解決方法が記載されております。その内容は、
第1項,債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、その強制履行を裁判所に請求することができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
第2項,債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。
第3項,不作為を目的とする債務については、債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすることを裁判所に請求することができる。
第4項,前三項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。
と、あります。平たく言えば民法414条は「実害があれば訴訟を起こせる」って事ですね。まずは隣の家に「植物を切って下さい」とお願いしどうしてもダメだったら「訴訟」という流れになるんですが、隣の家の人だからなかなか訴訟に踏み切るのは勇気が入りますよね。隣の家であれば住んでいる以上何かしらのお付き合いが発生してしまいますから。
ちなみにこの場合の「実害」は植物が枯れて掃除が大変とか植物のせいで虫が発生する、みたいなものもあたるそうですね。
と、いうわけで隣の家の人に雑草をなんとかして下さいってお願いしたいのですが、所有者がどこに住んでいるのか解らないんですよねぇ笑。元々住んでいた人の息子さんがたまに郵便物を取りに来ているみたいなので、そこを見計らってお願いするか、切って欲しいという内容のお手紙を書くかのどちらかしなければなりません。
そんなわけで全国どこでもありそうな「となりの雑草」問題について掘り下げてみました。一番よろしくないのは、あーうちに植物が入ってきてる!ってプンプンしながら植物をぶった切るということが解りました笑。こんな細かいことも民法としてルールでちゃんと定まっているんだなぁ…