和気生財
うちからわりかし近所の中田にできた香満園というお店。いわゆる町中華のお店で、リーズナブルな価格で料理をいただくことが出来ます。ランチは800円もあれば満福に、夜は食べ飲み放題が2980円で楽しめます。食べ飲み放題までいかなくても、晩酌セットというお酒2杯+料理1品で980円のセットメニューがあるので、わたしはふらっと飲みに行くことがあります。
写真はマーラーキクラゲというメニューで、あまり他になさそうな物珍しさから頼んでみたのですが、これがピリ辛で美味しかったです。酒の肴にぴったりですな。
そんな香満園ですが、最近レジの所にタイトルの「和気生財」手書きで書かれた紙が貼られていました。和気生財…一体何の事なのだろうとふと調べようと思ったのですが、ネット社会の昨今ではスマホを出せばすぐ解決してしまいますので、調べる前に和気生財の意味を予想してみることにしたのです。
和気…和を日本として、気を心意気。生財…なまの財だから、現金の事かな?そしてレジの所に貼ってあるから…
日本人は現金主義!!
って書いてあると予想する。答えは、
全然違った笑
中国ビジネス企業研修さんというサイトに詳しく書いてあったので和気生財の意味を引用させていただくと、
中国人の商売人にとって、商売の成敗を左右するのは何と言っても人間関係だ。もし、相手との人間関係まで壊してしまったら、元も子もなくなることになりかねない。だから、商売の世界における最高の法則は「和気生財」である。つまり「お互いに仲が良ければ、金は自然に付いてくるもの」だと考える。商売の双方が「和」を重んじれば、きっと双方が儲かることになる。人間関係の「調和」は、財を成す最速の道だと見なされている。
って意味らしい。
すごいいい言葉じゃないか!!
平たく訳すと「人と仲良くしていると財が生まれるよ」って事ですな。
商売というのは戦いですからね。ライバルを出し抜いて勝つために勉強して作戦を練って商品開発をして、よく言われるのがプレミア化(ブランドの確立)か低コスト化(薄利多売)のどちらかを目指すというのが日本式ビジネスの考え方とされています。結構そういうセミナーとか昔参加させていただいたのですが、どのセミナーでも結局行き着く先ではそんな感じのお話だった気がします。
ところが、中国の考え方としては「仲良くしていればお金はついてくる」とあり、裏を返せば敵を作らないのが肝心という意味があり、「売買不在人情在」(商売に失敗しても互いに人情を保てるはず)、「做不成生意做朋友」(商売相手になれなくても友人になれる)とういう熟語があるそうです。
もちろん商売において日本的な考え方…勉強も作戦も必要だと思うけど、結局商売は人と人のやり取りですからね。よく考えれば当たり前だけど、なかなか同業他社と仲良くなろうっては思わないですからねぇ…たとえ自分が相手より強い立場でも和気で接していれば立場が逆転しても潰されないで済むという「万事留一線、日後好相見」(後で会っても困らないように、何事も相手に一線の逃げ道を残しておこう)という熟語もあるそうです。
中国というと、ん?って思う部分もありますが、中国の人が世界中で商売をしていて成功している根幹にはこの和気生財の精神があるんでしょうね。
日本でも、かつて聖徳太子が作ったとされている十七条憲法の法文に和以為貴(和をもって尊しとなす)和を何よりも大切なものとしなさい。と書かれていました。(意味は諸説あるみたいだけど)意味がなければ和気生財もそうだけど言葉として残らないでしょうから、温故知新というか当たり前だけど改めて人と仲良くするのは大切な事だよなぁと感じさせられた中華屋さんの貼り紙のお話でしたとさ笑
ちなみに中国では最近強烈な勢いでキャッシュレス化が進んでいるので日本人が現金主義!!っていうのもあながち間違いじゃな…いややっぱり間違いだよな笑
“和気生財” に対して2件のコメントがあります。