あたり前田のクラッカー?

そういえばよく近所のかずくんが、ことある毎に「そんなのは、あたり前田のクラッカーよ」って言うのです。

 

冷静に考えると当たり前の略語ではないのでかえって言葉が長くなってしまうのに、昔からあたり前田のクラッカーって言う人いますよね。かずくんが言っているのを聞く前も5年スパンくらいでこの「あたり前田のクラッカー」って言っている人がいた気がします。基本的にいわゆる「おやじギャグ」みたいなポジションなのか、言う人はおじさんが多かったなぁ…

 

口にする人はさも当たり前かのように言うから、ふーんって聞き流していたわけですが、よくよく考えると喋る文章が長くなってしまって言葉のキャッチボール効率が悪くなるはずなのに、言っている方も聞いている方もさほど違和感の感じないあたり前田のクラッカー…とは一体なんなのかを調べてみることにしたのです。

 

そしたら、答えは一瞬で現れました。あたり前田のクラッカーでGoogle検索すると、トップヒットするのが、

 

 

あたり前田のクラッカーでおなじみの前田製菓のホームページへようこそ!

 

って出ました。つまりあたり前田のクラッカーは前田製菓さんという大阪府堺市の老舗お菓子屋メーカーによる「前田のクラッカー」と言う商品の事なんですね。西日本では結構有名なお菓子メーカーさんなんだろうけども、東北生まれ東北育ちのわたしはこの前田のクラッカーを売っている所をお店で見た記憶がないんです…

わたしの行動範囲が狭いからかも知れませんが、とにかくわたしの行動範囲で見かけたこともないし、前田のクラッカーのCMも見た覚えがない…

てか、西のソウルフードと言われているマルタイの棒ラーメンもダイソーさんが東北で展開してから知りましたし、結構西と東で同じスーパーでも売っているものって違うんですよね。最近はインターネットの普及ですぐ調べられるから自分の地域で売っていない商品もすぐ検索すれば出てくるけど、昔だったらあまり気づかないですよね、そういうの調べようがないし。

旅行先のスーパーを覗いてみたら地元では見かけない商品が結構あったとか、やホテルで見たCMが地元でやってないよなぁとか、そういうのがなければマニアじゃなきゃわからなかったでしょうな。

 

それで、ますます疑問が生じるわけです。かずくんを含めたあたり前田のクラッカーを口にしていた人は全員東北での出来事で、東北では前田のクラッカーはあまり取り扱いはなさそうだし、何よりCMも放映していない。なのになんであたり前田のクラッカーを知っているの! 

というか、口にすることはなくてもこのあたり前田のクラッカーってある程度年をとっている人ならみんな知っていそうですよね。わたしも何故か知っていたし、何人かにあたり前田のクラッカーって知ってる?って唐突にLINEで聞いてみたらほとんどの人が知っていたし。ただし、聞いたことだけあるって人がほとんどでしたが

西の方に住んでいる人ならそりゃ宣伝しているし、スーパーで売っているだろうから知っててもおかしくないでしょうけど、東の方の人も大体知っているんですよね…なんでだろう…

 

って答えはトップヒットの次の記事に堂々と書いてあったわけですが笑

あたり前田のクラッカーは1962年から1968年に朝日放送製作でTBS系列で放映されていた「てなもんや三度笠」にて、藤田まことさんがスポンサーである前田製菓さんの「前田のクラッカー」を胸から出して言う台詞。時代劇なのにクラッカーがあるのはコメディだからなんでしょうね。今で言う銀魂みたいな感じですかね。

はぐれ刑事純情派や必殺仕事人を演じる前に藤田まことさんが「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!」って言っていたのか…番組スポンサーが前田製菓さんの一社提供だったから思いっきり会社名も商品名もセリフに出来たんでしょうね。

このてなもんや三度笠、当時のおばけ番組だったみたいで視聴率が関西で60%台、関東でも40%台を記録した超人気番組だったそうで、他にも「非ッ常にキビシーッ!!」「許して…チョーダイ!!」と言った流行語も生み出したまさにレジェンドな番組なんですね。

 

つまり、てなもんや三度笠はそんな大人気番組だから当然前田製菓さんの取り扱いが少ない地域でもバンバン放映されて、その結果、今でもあたり前田のクラッカーというセリフがお菓子の売っていない地域でも残っているんでしょうねぇ。こうやって何気ない台詞の一つを調べただけでも、テレビの力の強さが垣間見えますなぁ。なんせ放映終了から50年以上経つのに普通に使ってる人いるもんね近所のかずくんみたいに。

まぁ、世代を超えて残っているあたり前田のクラッカーは、言っていた藤田まことさんの魅力あっての事でもあるんでしょうね。ちなみにわたしが物心ついた頃には必殺仕事人は再放送でしかやって無くてはぐれ刑事純情派の方が印象が強いので、主水よりやっさんのイメージがあるんですよね。中村主水はモンドと読むのもドラマの話の流れもパチンコで覚えましたよというどうでもいい情報でこのお話は〆させていただきます笑

 

 

あたり前田のクラッカー?” に対して2件のコメントがあります。

  1. ピンバック: わさびとクリカン

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です