愛すべきクソゲー 第3話

クソゲー、糞ゲーとは、「クソゲーム」の短縮形。ゲーム評論を行なうユーザーやメディアが、つまらないコンピュータゲームや初めから詰んでいるようなゲームを酷評する際に用いる言葉、またはその評価が与えられた個々のゲーム作品に対して用いる【wikipediaより引用】

40代のわたしが子供の頃、ゲームの情報を仕入れるのはほぼゲーム雑誌かゲーム屋さんの店頭デモくらいでした。そしてその少ない情報の中で大金をはたいて、または誕生日やクリスマスといった記念日にチョイスしたゲームが目も当てられないようなクソゲーだった…なんてことはわたしの世代だったら結構体験したことがあるんじゃないでしょうか。当記事はそんな絶望のクソゲーの中にも「愛」を感じることができるゲームの紹介記事となります。

さて、長らく期間が空いてしまったクソゲー紹介ですが、今回のゲームは最初にオチを言ってしまうとそんなクソゲーではなく、むしろ(ゲームの上手い人からは)アクションの良作として語り継がれています。その名も、

 

「魔界列伝」

魔界列伝(まかいれつでん)は1987年5月17日、セガマークⅢ用ソフトとして発売されたアクションゲーム。海外版はKung fu kidと言う名称で販売されていてタイトルとエンディング、一部の攻撃方法が違うだけで内容は魔界列伝と殆ど同じ。

 

汚部屋がテレビに反射しているので一部加工してあります

そんな魔界列伝、当時小学生だったわたしはそもそもセガマークⅢの本体を持っておらず近所に住んでいたコウイチロウくんの家で散々遊んでいましたが、最初の方のステージこそサクサククリアできるものの途中から鬼難易度になってとうとう当時はクリアすることができませんでした。今回は最近ソフトを手に入れたのでその時のリベンジも含めた記事になっています。

早速ですが魔界列伝、どんな内容なのかは一目瞭然で1985年頃に爆発的に流行していた今4,50代の人なら誰でも知っているチャイニーズアクションホラー映画「霊幻道士」の様な世界観を持つゲーム。そんな物語性のありそうなグラフィックに1980年代に王道だった2Dの横スクロールアクションゲームを被せた感じです。で、いきなりクソゲー要素を紹介するとずばり主人公ワンくんの攻撃方法。それがこちら。

 

立ち攻撃。

 

ジャンプ攻撃。

 

しゃがみ攻撃。

 

 

おわかり

いただけた

だろうか

 

このゲーム、霊幻道士の様な世界観と英語名がKung fu kidなのに蹴り攻撃しかできないんですよ。しかし安心してください、きちんと手を使った攻撃方法もあるんです。それが、

 

お札投げ笑

キョンシーの世界でもお札は大活躍でしたからね、って事で頑なにパンチを繰り出さないワン君。実は前作「ドラゴン ワン」でも横スクロールの格闘アクションゲームなのにキックしかしないんですよ。よっぽど手で何かに触れるのが嫌なんでしょうねワン君…余談ですがこのお札の距離が海外版Kung fu kidの方が長く、敵に当たった時も爆発するエフェクトが起きます。魔界列伝は音も無く敵が後ろに吹き飛ぶだけです笑

 

前作ドラゴン ワンはこんな感じ。ファミコンのスパルタンXのパクリじゃねえかと言われていましたがワン君はパンチをしないのでセーフ

 

ワン君の潔癖症をやんわりと紹介したところでリベンジ攻略の開始。ちなみに魔界列伝にもストーリーはあると思いますがわたしは説明書を持っていないのでよく解りません。多分悪い奴を倒しに行くって感じだと思います笑。して、攻略開始とは言ってもこのゲーム、4面までは本当に簡単です。3面と5面は若干迷路みたいな感じなのですが1面2面4面は兎に角右の方に進むだけ。で、

 

凄く小さい敵を除いて画面に3体までしか表示されないので左側に雑魚を3体表示させたら右にお散歩するだけでボスにたどり着けます笑。というかこういう手段を取らないとしつこく湧き続ける雑魚に蹂躙されてあっという間にやられてしまうのが魔界列伝の特徴でもあります…無益な争いをしないのが攻略のポイント、それも4面までですが。

 

右端までたどり着くと登場する1面のボス「妖怪和尚インダラ」。当時はハゲと言う辛辣なあだ名で呼んでいました。奴の間合いに入るとボコスカダメージを受けるので適度に間合いを取りながら蹴っ飛ばしていきます。どのボスもですが攻撃のクセがありそれを掴むまでは結構一方的にぶん殴られて負けます。やられて覚えるゲームですね。

 

2面。ここも雑魚を左側に3体連れてのお散歩タイム。1面と違いエビ?みたいなのがぴょんぴょん跳ねていて当たるとダメージなので注意。

 

2面ボス「女幽霊リー」。当時の呼び名は女幽霊とニアピンだった。距離を取っているとワン君の方に飛んでくるのでタイミング良く蹴っ飛ばすだけ。

 

3面。道中は少しだけ迷路みたいな感じ。ボスは「親ガエル ゲロッパ」。当時の呼び名はカエルとそのまま笑。着地した時にしゃがみキック連打で処理できます。その辺の雑魚より弱いのはカエルだからか。

 

4面。ここも左に雑魚を3体連れてお散歩タイム。上から降ってくる水滴に当たるとダメージなので雑魚よりそちらを注視したい。

 

4面のボス「曲芸師リュウ&チェン」。当時の呼び名は双子。ナイフを投げて攻撃してくる。うかつにぴょんぴょんせずナイフをしゃがんでよけて歩いて距離を詰めて立ち蹴りで攻撃していると倒せる。もっと簡単にやっつける方法もあるらしいがむやみに飛ばなければそこまで強い敵ではないかと。

 

迷路面の5面。ここから雑魚が強烈に強くなる。手を飛ばしてくる子供と3発食らうとやられる蹴りでは一時的にスタンするだけで消すにはお札が必須な緑ゾンビのタッグが非常に厄介。子供の頃はこの道中が攻略できず挫折した思い出。5面道中のコツは使用回数制限のあるお札をケチらず丁寧に雑魚を殲滅して行く事。お札は雑魚を倒すとポンポン出るので意外と数には困らない。

ボスは「親玉ゾンビ タオ」。火を噴いてくるのでそれを除けながら蹴っ飛ばす。

 

体力が半分になると下半身が吹っ飛んで動けなくなるキモイ仕様。吐き出す火の玉を除けながらしゃがみキック連打でやっつける。

 

6面。雑魚との道中は無くボスラッシュ。一人目のボスは「大男ゴリダ」。こいつの攻撃は2発受けるとやられてしまう超パワー型なのに棒には触れただけでダメージを受ける鬼畜仕様。ジャンプキックでつま先を腹にあてて削るようにキックして倒す。かなりの鬼門。

 

2人目のボスはデモ画面でも戦っている「リンリン&ミンミン」。距離を取りながら蹴っ飛ばしていればいつの間にか倒せる。

 

3人目が「刀使いシユウホウ」。こいつがゴリダに次ぐ強敵でダッシュ攻撃で切り付けられ飛び越えると切り付けられ…3発食らうとお陀仏になってしまう。敵の攻撃パターンを崩す必要があり、ダッシュで切りかかられた時に飛び越えて振り向きざまにキックの繰り返しでやっつけた。あまりにも攻略に夢中になってしまい倒したところを写メっている笑

 

4人目の刺客「拳法使いミャオ」。ナイフ投げと華麗な蹴りの動きを見せるがジャンプキックをしているといつの間にか乙っている。

 

5人目、6面最後のボス「謎の老子ロウワン」。おじいちゃんなのに華麗に飛んで攻撃してくる。が、ミャオ同様そんなに強くない。ゴリダとシユウホウの方が圧倒的に強いのは女と年寄りより大男と刃物が強いというリアリティ仕様かと笑

 

7面。ここも前半は右に向かうスクロール面。もちろん雑魚を3匹連れてのお散歩タイム。

 

ラスボスの「魔王マダンダ」。何となく閻魔大王の様ないで立ち。距離を取るとしゃがみでは除けられない火の玉をバンバン放ってきて食らうと痛い為、どんどん距離を詰めてガンガン蹴り飛ばせばそこまで強い相手ではない。ゴリダの方が5倍は強い。

 

討伐完了。すると魔王マダンダは天に帰っていった。そして…

 

汚部屋がテレビに反射しているので一部加工してあります

 

終劇

と、大きく表示されて終わり。スタッフロール等は特に無し。悪は滅びた。それで終わりだ。ちなみにKung fu kidだと終劇の下にTHE ENDと表示される新設設計です。

 

と、言うわけで30年以上ぶりに魔界列伝のリベンジクリアを果たしました。統括すると蹴り攻撃しかしないワン君とめたくそにしつこい雑魚敵と5面以降の理不尽なまでの難易度はクソゲーの域に達していますがBGMと世界観、グラフィックの素晴らしさで相殺されて魔界列伝は良作だと思います…と言いたい所ですがゴリダとシユウホウにアホみたいに理不尽にやられたのでやっぱり個人的にはクソゲー評価です笑。年と共にアクションゲームが下手になっている自覚はありますが、それにしても難しい。お散歩作戦をしなかったら1面の雑魚敵すら苦戦します。でもSEがカッコいいとか良い部分もあるのでやっぱり愛すべきクソゲーとしてわたしは魔界列伝をこれからも愛でていきたいと思います笑

そんな功夫列伝とKung fu kid、2025年7月現在レトロゲームの配信等はされていないので遊ぶにはソフトと本体を用意しなければならず難易度が高いのですが今のゲームには無い理不尽な難しさがそこにはあるので興味が出た方は是非遊んでみて下さい。恐らくこのキョンシーな世界観の何かが当時の大らかさでは許されていたけど、今の時代にはどこかに引っかかって出せないのではないかと予想しています。Kung fu kidとか海外で結構流行っていたみたいですから…ゲームを遊ぶ環境は結構準備しやすく、レトロフリークとギアコンバーターSがあれば遊べますよ。

 

・ギアコンバーターSを紹介した記事はこちら

ギアコンバーターSのレビュー

 

・セガ公式サイト 魔界列伝が載っているセガマークⅢソフトウェア一覧はこちら(とは言っても名前と発売日だけですが)

https://www.sega.jp/history/hard/segamark3/software.html

 

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