愛すべきクソゲー 第2話

 

クソゲー、糞ゲーとは、「クソゲーム」の短縮形。ゲーム評論を行なうユーザーやメディアが、つまらないコンピュータゲームや初めから詰んでいるようなゲームを酷評する際に用いる言葉、またはその評価が与えられた個々のゲーム作品に対して用いる【wikipediaより引用】

40代のわたしが子供の頃、ゲームの情報を仕入れるのはほぼゲーム雑誌かゲーム屋さんの店頭デモくらいでした。そしてその少ない情報の中で大金をはたいて、または誕生日やクリスマスといった記念日にチョイスしたゲームが目も当てられないようなクソゲーだった…なんてことはわたしの世代だったら結構体験したことがあるんじゃないでしょうか。当記事はそんな絶望のクソゲーの中にも「愛」を感じることができるゲームの紹介記事となります。

さて、第2話となる今回取り上げるのはコナミ(現・コナミホールディングス株式会社、ゲーム部門は株式会社コナミデジタルエンターテイメント)のゲーム。コナミといえば1969年創業でアミューズメント用の機械を製造し、1983年からMSXという規格統一パソコンで家庭用のゲームをリリースしている老舗で、ファミコン参入は1985年4月にスタートしました。

家庭用ゲーム事業に参入以降、それこそ数え切れないくらいの名作を提供し続けたコナミですが、コナミの黎明期といえば「ペンギン」を思い浮かべる人も多いはず。と、言うのも、

 

 

「イー・アル・カンフー」と共にコナミのファミコン参入第一弾だった「けっきょく南極大冒険」とその続編の「夢大陸アドベンチャー」の主人公がペンギンだった事や、

 

 

アーケードからの移植作品「パロディウスだ!」の自機や敵キャラにペンギンが使われていたり、その他コナミワイワイワールドのステージセレクト画面にちょこっといたりと、色んなゲームにペンギンがちょこちょこ現れるんですよ。そのおかげかコナミ=ペンギンの印象が強いのですが、そんなペンギンに名前がついていたりするというのは結構知られていないんです。

全部のペンギンではないけど、けっきょく南極大冒険、夢大陸アドベンチャーのペンギンは「ぺんた(ペン太)」でパロディウスだ!の自機キャラは「ペン太郎」という名前だったりします。前置きが長くなってしまいましたが本日はそんなコナミのペンギンに名前がつくきっかけとなったゲームです。それが、

 

 

夢ペンギン物語!

夢ペンギン物語はけっきょく南極大冒険、夢大陸アドベンチャーに続くコナミペンギン主役ゲーム第3弾で1991年に発売されました。スマッシュヒットを飛ばしたけっきょく南極大冒険、ファミコン未発売ながらもけっきょく南極大冒険をベースに武器が使えるようになってボス戦もある夢大陸アドベンチャー、その続編!と正式に発表はされていないけど、ペンギン主役ゲームの前作・前々作が面白かったんだからそりゃこの夢ペンギン物語にも期待してしまいますよね…

蛇足感はあるのですがこのゲームのおかげ?でペンギンゲームの主人公がペン太、そのヒロインがペン子、そしてその子供がパロディウスだ!で活躍するペン太郎と名前がついたそうだけれど、どうしてそうなったのかは現在ネットには情報がないので詳細は不明…有識者のコメントをお待ちしております笑。

しかしながらこの夢ペンギン物語自体のお話がちょっとクレージーというか何というか…まぁそれは見ていただいたほうが早いと思います。一応物語のはじめとして、ペン太とペン子は付き合っていてある日…ではじまるのですが…

 

 

と、おめぇデブだから痩せろ、じゃねえと他の男と付き合うぞ?という、今で言うところの、

 

完全に

パワハラで

セクハラ

のとんでもないストーリーです笑。じゃあ最初から付き合うなよって思うところですがまぁゲームだから仕方ないなぁとも思うけど、痩せ方について痩せ薬を飲んで痩せてみろって…完全にイリーガルな薬物を勧めていますよね…以前どこかでみかけた「飲んで痩せる薬なんてあるならそれは毒だ!」という言葉を思い出しましたわ。薬物ダメ!絶対!

で、肝心のゲーム性についてはこれはなかなか秀逸な感じ。当時のゲームには珍しくチュートリアルがついているしデモを見ての通りグラフィックもすごい綺麗、アクション面とシューティング面もあってプレイヤーを楽しませてくれます。

 

 

このゲーム、ゲーム初心者にとにかく優しい仕様で敵の攻撃をいくら食らっても、ステージギミックに引っかかってもペンギンが死ぬことはなくタイムアップまで遊べます。ただし、ダイエットが目的のゲームだけあってステージクリア時にノルマまで痩せていないとゲームオーバーになります。

で、順調にステージを進めて痩せていくと、

 

 

ライバルであるギン次がしびれを切らしてペン子が連れさらわれてしまいます。そんなわけで最終面に突入。氷のアクションステージを超えて、

 

 

ギン次との打ち合いとなります。最終面はなんとびっくり3D(風)シューティング!こんな演出までやってしまうんか!と、当時すごいびっくりした気がします。横スクロールアクション、横シューティングに縦シューティングもあるゲームなんてさすがコナミと驚愕しましたね。しかもラスボス戦だけの豪華演出だし…で、

 

 

ギン次の機体はまず手から破壊し、両手を破壊したら顔面に玉をぶち込むと倒せます。倒せますが…ここで痩せてないと…

 

 

いやはや、こんなク○女助けなくてもよくね?という展開で最終面をもう一度プレイすることになります。で、もう一度クリアで痩せるノルマ未達だと…

 

 

また「ふとったひとはきらい」と言われてペン子がギン次と去っていきます…ぶっちゃけギン次も被害者だよねこんな包帯ぐるぐる巻の満身創痍になってさ…で、また戦って痩せていないと真のバッド・エンドとなります。ネタバレ注意!

 

 

 

 

すげぇ可哀想…

 

正直、この夢ペンギン物語って6ステージしか無くてすぐにクリアできて内容が薄っぺらいんですよ。なんせフジテレビの人気番組ゲームセンターCXにて、あまりゲームが得意ではない有野課長ことよゐこの有野晋哉さんがこのゲームに挑戦し、番組史上最速クリアを果たしたゲームタイトルという事で有名ですからね。1時間半くらいでクリアしてしまいましたし。

普通にゲームで遊べる腕前なら1周目は30分もかからずクリアしてしまうし難易度の上がっている2周目をクリアしても小一時間もかからないくらいすぐ終わってしまうんですよね。カセット容量の関係でそんな面構成だったのだろうけど、ここのボリュームはちょっと寂しいかな。

ではその内容の薄さが夢ペンギン物語がクソゲーと言われる由縁なのかと言われればそれは違うんです。簡単なゲームなのはターゲットをライトユーザーにしているからでしょうし、たしかにペン子は超理不尽のうんちペンギンだけど最初から目的は「痩せる」ことじゃないですか。嫌々ながらもそれにペン太は乗っているお話だし。

ならどこがクソゲーなのかと言うと実はこのゲーム、本当にやばいのはきっちりと痩せてギン次をやっつけた時なんです。つまり普通のエンディングがもうとてもやばい…ネタバレが嫌な人はここでこの記事を閉じて戻って下さい…

 

 

 

 

 

 

何も

言えねぇ…

 

…わたしが小学生の時にこのゲームから学んだことは「自分に優しく人に厳しい人もいる」でした。正直、40数年生きていればそういう自分に甘々タイプの人とちょくちょく会っていたのです。でも、きっとペン子のことを知らなかったら何だこのク○野郎!って思っていただろうけどこのゲームで理不尽の予習をしていたのでたとえそういう人にあっても、

 

ああペン子タイプか。じゃあ仕方ないな。

 

と、考えられるようになりました。ってことでお子様の情操教育の一環におすすめの夢ペンギン物語でした!って言うのは半分冗談ですが当時このエンディングが物議を醸しまくっていたのを覚えています。都市伝説(詳しくはウソ技、夢ペンギン物語で検索して下さい)で2周目はペン子がダイエットをするなんてデマが流れたのもこんな腐れエンディングを見せつけられたからでしょう…実際2周目がペン子だったらいろんな団体から抗議が来ていただろうなぁ笑

そんな夢ペンギン物語、どうがんばってもペン太が報われないストーリーがまさにクソですが多彩なアクションを楽しめるゲーム性は面白いです。体型によって攻撃方法も違う細かさもあるし簡単なのでみんなでワイワイ遊べます。こんなどうしようもないエンディングでもオチを知らん人と酒を飲みながらだったら盛り上がること必須でしょう笑。

と、いうことで愛すべきクソゲーに夢ペンギン物語を挙げさせていただきました。遊んだことのない人はぜひプレイしてエンディングでもやもやして下さい笑。ただ、バーチャルコンソールのような配信サービスではないようなので遊ぶにはファミコンカセットを買う必要がありますね。まぁこんな話で今現在配信されたらそれはそれで問題になりそうだからなぁ…

 

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