なぜ起業したのかよく聞かれる件

 

弊社は法人なのでいちおう自営業ではなく会社経営者となるのですが、名目上とはほんと名ばかりで特にたいしたことはやっていないおよです。ですが、会社経営をしているというだけでこんな零細企業のわたしにも結構なぜ起業したのか?とかどうやって起業したのか?とか聞かれることがポツポツあったり、またそれについてお話してくださいなんて言われたりします。

結論から言うとそう言ったお話は全部お断りしています。と、言うのも「どうしてそんな事を聞くのか?」と質問を返してみると端的に言うと「将来起業したいから」とか「起業の参考にしたいから」としか言われないからなのです。で、どうやって起業するか知っていますか?って聞くとこれがまぁ何故か知らないんです。将来的に会社経営をしたい!のに会社の作り方を知らないのはどうなのだろうかと。ちなみに、

 

会社法人は株式会社なら25万くらい払えば誰でも作れますし、もっと言えば個人事業主ならば税務署に開業届1枚出すだけでもうスタートなんですよね。

 

つまり、始めようと思えばとりあえずすぐに始めることはできるわけです。個人事業主なら明日からでもできるし、やる気のある人なら人の話を聞く前にとりあえずスタートしちゃってる。そのくらいじゃないと経営って難しいと個人的には思うわけです。サラリーマンと違って会社という守り盾のないノーガードで経済と戦うことになるので判断が遅ければそれだけダメージを食らうことになりますからね。

よく「経営は刀で斬りつけられるのと一緒」と比喩表現されたりしますがまさにそうだと思います。刀で斬られれば当然血が流れ出て、どこかで輸血をしないと死んでしまう。経営において血とは当然お金のことで、始めた途端お金がどんどん出ていってしまいますからどこかで補充しないとすぐに出血死(倒産)してしまうんですね。

 

そんなわけで、やりたい人は人の話を聞く前にもう始めているだろうし、もしわたしの話を聞いて経営してみようと始められて出血死されても責任が取れないからそういったお話はお断りさせていただいているのです。と、言うかわたしが会社を始めるに至るまでって恐らく誰の参考にもならないと思うんですよね。誰かの指標にはまずならんけどもブログのネタにはなるので今日はそんなお話笑

 

 

話は3年以上も前に遡る。

 

当時わたしは日本一ノルマの厳しいと言われている保険会社を退職して、複数社の保険を取り扱う乗合代理店に勤務していた。どのくらい厳しいかと言うと入社して2ヶ月でさらっとクビになる人もいるし、そこを耐えても一年で半分はクビになるというなかなかシビアな感じでした。今どき保険会社でも2年位は黙っててもいれそうなのにね。

 

所属していた保険会社はフルコミッション(完全歩合制)の給料と言われつつも蓄積した契約のおかげで月に仕事をしなくとも最低限それなりのお給料が貰えていた。しかしある日、社内規定の変更が行われ社員は独立するのが厳しくなってしまった。以前のルールなら55歳になれば保険の契約を持って代理店として独立することが出来たが、ルール変更で独立までとんでもなくハードルが上がってしまったのである。

どのくらい難しい数字なのかは専門的な話になるので割愛させていただくが、ほとんどの社員が当てはまらないくらい難しい数字を提示されたのでした。

 

個人的な見解だけど保険屋というのは基本潰しが効かない商売だと感じる。保険が売れるからと言って到底他の商品が売れるとは思えない。そのくらい手元に物がないものを売るというのは特殊な仕事だとひしひしと感じる。逆に保険は売れないけど他のものなら売れるという人はいくらでもいるだろう。

ただ、保険会社は数字だけ上げていれば別に会社に出社しなくても許され(厳密に言うとだめだけど上がなんとかしてくれる笑)自由な時間が作りやすい故に趣味と実益を兼ねて生活できるので、保険さえ売れる人には天国のような職場である。

が、わたしの勤めていたところは55歳定年でその後は独立か嘱託社員として少し給料を下げられた感じでそのまま務めるかの2択だったから年を取ってからもなかなか条件のいい職場だったのに、会社が独立させない気となってはここにいても仕方ないかなぁと思ってぱっとやめた。のらりくらりと勤めることはできたけど、元々嘱託社員には興味なかったし。

 

元々わたしは保険屋さんに勤めてから割と早い段階で独立というものを意識していた。なぜかと言うと、保険は誰が売っても同じものだからである。ほけんの○口等の保険ショップから入ろうと保険会社直販の人間から入ろうと同じ保険なら金額は一緒。

この人から入ったほうが同じ保険だけど金額が安いというのは絶対にない。ならばと保険屋さんの社員は、他者との差別化を図るためにある人はお金のセミナーを開催したり、ある人は子育てに関する資格を取ったりして自分に付加価値をつけようとする。それは商売の作戦だから悪いことではない。

だが、社員として保険会社に属していては当然差別化には限度がある。例えば、わたしの得意な花や植物を売りながら保険を進めるなんてことは出来ない。もちろん花売り保険屋をそのままやる気はなかったが、販売手法が限定されるのはやだなぁとかなり昔から考えていたので、この会社ルール変更を期に独立するために乗合代理店へ転職した。代理店からの独立は保険会社社員からより遥かにしやすい(保険会社にもよるけど)

 

乗合代理店のメリットは結構あって、一番はコミッション(歩合)が保険会社の社員よりあきらかに多いのが挙げられる。なのでそんなに無理をしなくても十分生きていけるくらいのお金を貰えた。また、営業ノルマもわたしが元々いた所が軍隊みたいに厳しいところだったので楽々とこなせるくらいのものだった(これは乗合代理店によるけども)

保険会社に比べて乗合代理店のデメリットも社会保障が薄いとかそこそこあったけど、普通に保険会社の営業社員を出来ていた人なら代理店に移っても稼ぐのに困ることはないだろう。

 

と、いうわけで話はその乗合代理店で独立するために転職したのに相変わらずのらりくらりと生きていた3年前の事。向かいの席に座っているねえさんに相談を持ちかけられたところから話は始まる。

 

ねえさんとはいってもわたしのひとつ上なだけで、他に特徴といえばバツイチでお酒を飲むとやたら暴力的になるくらいの一見極めて普通の女性なのだが、社内的な政治を一切しないタイプだった。平たく言うと完全なビジネスマンタイプなので社内で媚を売ったりしないし、文句は自分からガンガン言うからまぁ敵が多いというか嫌われている人だったりする。

そんなねえさんよりわたしは保険業に携わっている期間が少し長く知識もそこそこあり、席も向かいだったので何かと相談されたりしていたのだけどそのねえさんが「遠方の会社さんに遠くから来てもらって悪いからお金を払いたいんだけど」とある日法人のお客さんに言われたそうだ。

確かに遠方のお客様なので交通費くらいは貰ってもいいような気がするけど、上席の人間に確認したら「会社の名前で営業しているんだからそのお金も会社に一旦入れるべき」と言われてしまい、それはちょっと違うとねえさんは思ったようでなにかいい方法が無いかとわたしは相談された。

 

その時わたしは特に深いことも考えず、んじゃわたしが独立してそこの会社のWebサイト作ってサイトを維持するサービス料とか頂いてねえさんにも支払いすればいいんじゃない?なんて完全なる思いつきで言ったのである。

ちなみにこの時わたしはそういうWebサイトを作る知識を持ち合わせておらず、ただ定期的にそこからお金を貰える方法がないかと言われたのでそう答えたのだ。

するとまるで頭の上に電球がポンと現れたかのような表情をしたねえさんが、そのアイディアいいねぇ!なんて言っていた。これだけネット社会になっても未だにネットに興味の無い会社はWebサイトを持っていなかったりするので、名刺代わりにどうですか?と進めるのはそう難しくないだろうなーなんて思っていたら次の日、

 

 

 

およくん、昨日の件OK貰ったからよろしくね!

 

 

とかねえさんが抜かしやがった…そういえばねえさんえらいアクティブで行動力がある人だった…と、言うことでその日からわたしは本を一冊買いCSSとかHTMLとか、その辺りのサイトを作るのに必要な知識を猛勉強した。深く考えていなかったけど言い出しっぺはわたしである。こうしてあれよあれよと企業のサイトを制作し、相手側からもOKが出てしまう。

金額もそれなりに大きいので「オズファーレ」と言う名前で個人事業主登録をし、それからもねえさんがどんどんサイト作成の仕事を取ってくる+およちゃんどうせだったら会社にしなよお金は出してあげるからなんていい出す人も出てきて個人事業主登録から約半年後に法人成りをする。

流石にバイトOKの乗合代理店だったけど、会社経営をするんだったらきちんとやろうと思い乗合代理店を退社。ちゃっかり準備していた保険代理店の契約も無事に完了してWebサイト制作管理と総合保険代理店の「二足のわらじ会社」株式会社オズファーレの代表取締役になる。オズファーレの意味はサイトに書いてあるので割愛。

 

と、言うなんかよく解っていないけどいきおいで社長になってましたのパターンで経営者となったわたしは企業のサイトを作りつつ、自社のサイトを制作する。と、いうのもわたしの行っているWebサイトサービスは他社と最も異なっているのが更新サービスがついているところであり、例えば写真の一枚でも送っていただければそれを記事にしてサイトを更新するのである。

そういう写真がなくても、例えば季節に関するコラムとか、そういった文章を無理やりサイトに投稿することでサイトを更新するのである。これをすることによって最終更新日時がはるか昔の死んだサイトにならないよう手を入れることができ、毎月のサービス料として会社さんからお金をいただくことができる。

と、言うわけでサイトの更新サービスがウリなのに自社サイトが死んでいたは話にならないのでコラムと言うか、ほとんどブログの日常記録というページを作って記事を書いているわけです。どの程度文章が書けるのかとかサンプルとしての意味合いで始めたのだが、いつの間にかラーメンばっかりの記事になっていたり、バンドリ!ガールズアンドパーティーを熱く語りすぎて3万字も書いていたりするのでした。

 

と、まぁこんな感じに長々と偉そうなことを書いていましたが、サラッと言ってしまえばわたしが起業したのは、

 

ねえさんが

勢い余って

仕事を取って

きたから笑

 

だったりします。でも、のらりくらりとしていたわたしに喝が入ったのでとてもいいきっかけであったと思いますわ。あまりにも突然のことで泣きながら勉強したけども笑

そんなわけで最初のお話の戻るのですが、起業をしてみたいって人はとりあえずさっさと個人事業主登録をして始めてみればいいかと。副業禁止の会社じゃなきゃぱっと始められますからね。必要な知識、例えば税金に関してとかサラリーマンではあまりわからない情報もネットで探せばいくらでも書かれていますから今の時代。

本日はこんな感じの、まず参考にならない起業の昔話でした笑。後日談ですが、ねえさんは最近サクッと再婚しました。こんなみんな結婚しないできない世の中なのにえらくサクッとしましたね。さすが行動力のある人は違うよなぁ…

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