タダより面倒くさいものはない

わたしは今以前、とある保険会社の直販に勤めていましたが今はそこの商品を扱っていません。理由はまぁ別に今扱わなくてもいいかなって感じだからなのですが、当時お客様に加入していただいた商品で、年齢やら何やらでその商品よりいいモノがもうないなって保険は新しい商品に替えることなく、わたしが担当から外れても基本そのまま加入してもらっていたりします。

 

お客様の保険はわたしの収入のためのものではないのでそんなのは当たり前だと思うのですが、中には保険会社から違う保険会社に移ると根こそぎ新しい保険に替えたがる営業マンもいます。

保険会社によっては当然商品に得意不得意があるので部分的にこっちのほうがいいなーみたいなのはもちろんありますけど、全部新しい保険にとなると、きちんと保険切り替えのメリットデメリットを考えたほうがいい場合が結構あるなぁと感じる事が多いですね。

まぁこれに関して考え方はお客様も営業マンも人それぞれな事ですし、いわゆる俺に黙ってついてこいの「担当売り」を売る方も買う方も望むこともあるでしょうから、この話題はここでやめておきます。

 

それで、担当者がやめたあとに残った保険には「保全」といって、新しい担当者が付くのですが、二ヶ月ほど前にわたしが昔加入してもらった保険の保全担当者からこんなはがきが届いたよ!ってお客様から見せられたんですけど、そのはがきの内容が、

 

 

 

マスク1枚あげます

 

 

だったわけです。2ヶ月前といえばマスクがどこも品切れで確かに困っている人も多かったと思いますし、なんとかして保全の担当になった営業マンが仕事に繋げようと必死なんだろうなぁと思ったくらいでそれが特に問題だとは思わなかったのですが、中にはこういうハガキを貰って、

 

「この人は本気で私のマスクのことを心配してくれているのね!」

 

って人がいるわけです。別に貰うのが悪いことではないけども、こういう感じでその裏に何か意図がある事を把握できない人ってそこそこいらっしゃるんですよね。こういうのを貰うならその前に「なんでこの人はタダでマスクを送ってくれるのか?」って事を考えないと、意外とのちのち面倒くさいことになったりします。わたしのお客様にはいないだろうけど。

 

少し話は変わりますが、たまに家のポストに入ってくる地域密着型のフリーペーパーに、どこかの会議室で「お茶とお菓子が出されるマネーセミナー」なんて言うのが載っていたりします。大体は入場が無料なのですが、やっぱり「お茶とお菓子が無料でいただけてマネーセミナーまで受けられてお得なのね!」って考えてしまう人がいるんですよね。

 

こういうマネーセミナーって、セミナーで喋る内容も集客も会場を抑えるのも合わせてそういうお膳立てしてくれる会社が売っているんですよ。これを買う人は当然マネーセミナーなのでお金に関わるお仕事をしている人。

自身のスキルアップだったり自分のお仕事に繋げたいからこの「お膳立てされたセミナー」を購入するんです。当然合法で売っているものだし、講師として喋る内容はもちろん凝りに凝っていると思うので勉強になるだろうし、それが問題ではないです。

 

しかし、このマネーセミナーを買った営業マンはそれ相応の金額を支払って先行投資をしているわけですから、自分のところの商品を売りたいのは当たり前なわけです。もちろんこういうマネーセミナーを受講するのは悪い事ではないですが、「タダでお茶とお菓子が振る舞われてマネーセミナーも受けられる理由」って言うのをきちんと考えておかないと意外とのちのち面倒くさいことになったりするんですよね。

 

何でもそうなんですが、よくお金の関わる商品に関しては正直勉強しないと結構わからないことって多いので、人に教えるために専門の資格があるわけですし、色んな所で「お金の無料相談」なんて幟を掲げてやっていたりします。証券会社や保険会社、不動産会社や銀行が特によく無料相談を行っていますね。

当然各社、素人がよくわからない小難しいことを親切丁寧に教えてくれるのでためになりますが、そもそもなんでソレを無料で教えてくれるのかをきちんと考えなければ後々面倒くさい事になりかねないのです。

保険会社が駐車場経営による不動産投資を、不動産会社が将来のために投資信託を、なんて勧めることは殆ど無いのは無料相談がなんで無料なのか考えればすぐ解ると思います。グループ会社が営んでいればそちらを紹介されることはあるでしょうけど。

 

じゃあ本気でお金のことで相談したい時はどうしたらいいのよ!って言う人はどうしたらいいのかと言うと方法は2つあって、1つ目は「有料のマネーセミナーを受ける」で、しかも講師が公認会計士や税理士の資格を持っている人のセミナーがいいです。

有料であるが故、無料のような何の意図があって無料なのかを考えなくてもいいのはでかいですし、講師が公認会計士や税理士だと自分の所の商品によせる話をするってのはあんまりないです。中には保険代理店資格を持った税理士さんなんかもいらっしゃるけど、それでも無料ほど露骨な感じではないですね。ただし、セミナーを受けるにはそれ相応のお金がかかります。

 

そしてもう1つは「色んな無料のマネーセミナー(お金の相談)に行く」です。1業種に特化せず、証券会社も保険会社も不動産会社も銀行も、できれば「士業」の人のも全部お話を聞きに行って、自分で情報を精査するんです。今はネットがあるから言われたことがどのくらい信憑性があるのかは自分で調べられますからね。

1業種だけで聞いちゃうとどうしてもそこの商品によせた話になりますし、色々な所で話を聞いて嘘っぽいの情報や自分に必要のない情報をそこからはじいていけば、自然と必要な情報だけ手元に残ります。相談の際に住所や電話番号を記入するので、場合によっては後から結構頻繁に連絡があったりしますが、そこは毅然と断らなければならないので気が弱い人には向いてないですがね。

 

と、わたしは職業柄お金の相談を受けることがあって、どこで受ければいいの?と聞かれたら上記のような感じで答えるんです。普通に弊社もそう言った相談を承っておりますし。するとまぁこれも当たり前ですけどわたしは保険を取り扱ってますので「あなたはお金の相談をされたら保険に話をよせるの?」って聞かれるわけです。

 

当然、そんな面倒くさいことはしないんですけどね。お金の相談をされたらきちんとソレに答えるけど、そこからなんとか保険に結びつけて売ってやろうとは思わないです。というか、そういう面倒くさい事をやりたくないから色んな事業内容を行って、細かく糧を獲ているんですよ。営業マンとしては失格でしょうけど笑

 

しかしながら、こういうお金に関するセミナーやら相談やらは、本気になったAI(人工知能)の情報量には勝てないですからね。近い将来お金のことはチャットでAIにお願いする形になるでしょうな。まぁ、その方がフラットな感じで相談を受けて貰えるだろうから良いことですよね。

 

こういう話題の縮図としては若者は「ソシャゲ」(スマホで遊べる基本無料で課金するとキャラやアイテムが貰えるみんなで遊ぶゲーム)を例に上げると解りやすいのですが、課金したキャラと無課金キャラ、どっちが優位にお話を進められますか?ってことなんですよね結局。

世の中無課金でもなんとかなるけどかなり手間と時間がかかるんですよね。その対価としてお金を払って省略できるならそうしてもいいと個人的には思います。

というわけで本日はタダより面倒くさいものはないというお話でした笑

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