辛いのは好きだけど痛いのは嫌い

人類と香辛料の歴史は古く、インドにおいては紀元前3000年頃からすでに黒胡椒やクローブ等の多くの香辛料が使われていた。紀元前1200年頃の古代エジプトにスリランカ産のシナモンが献上された記録が残っている。

紀元1世紀頃には海、陸のシルクロードを経てヨーロッパに香辛料が流入し、香辛料は大変珍貴なものとなった。貴重な香辛料を潤沢に使えることがステータスを誇示する事となり、王侯貴族の会食料理は過剰なまでに香辛料を使った料理へと発展し、香辛料が貴金属のように献上品としてやり取りされた。この頃の時代背景をモチーフとしたロールプレイングゲーム「ドラゴンクエストⅢ」では冒険の途中、黒胡椒と船を交換するのだが、そこからも当時香辛料がどれほど高価で貴重なものだったのかが垣間見える。

ヨーロッパの人々の多くは、古くから肉や魚を多く食べていたが、内陸まで食材を運んだり冬期に備えたりするために肉や魚を長期保存する必要があった。中世においては、その食味から、クローブや胡椒などには高い防腐作用があると信じられていたため、食材の保存において欠かせない防腐剤として扱われた。実際には胡椒の防腐効果はそれほどでもないそうだ。

その後、貴重な香辛料を探しだし独占するためにヨーロッパの人々が世界進出へ駆り立てられる。世に言う大航海時代の始まりだった。

 

日本では、最古の歴史書である「古事記」に生姜や山椒を表す総称である「はじかみ」の記載があった。しかしながらヨーロッパのように貴重なものとして料理に用い、外国から舶来品としてこの頃から香辛料の輸入があったみたいだけど、盛んに輸入と消費をしていくような需要はなかったようだ。

その背景には当時の日本人が肉食をほとんど行わなかったこと、また発酵調味料を積極的に利用したことなどから、香辛料への需要が外国に比べて低かったということが大きい。食物の味を引き立てることが日本の香辛料の唯一の役割であり、人工の香りを発し素材の香りを殺すといった自己主張はあってはならないという風潮だったのである。しかし、中世期になると、より身近な地産の草菜類を利用して、「薬味(やくみ)」「加薬(かやく)」などの概念が発展しはじめる。

江戸時代には日本料理でも薬味の使用が発達しはじめ、当時の料理書「素人包丁」には、鯛飯の項に「加益(カヤク)はおろし大根、ネギ、のり、とうがらし」と記されている。大根・葱・紫蘇・芥子(からし)・生姜・山葵といった香辛料が特に薬味として好まれ多用された。特にネギは日本料理に欠かせない存在となり、ダイコンは大根おろしなどの形で大量に用いられた。

その他、料理書には山椒、ゆず、肉桂(シナモン)などを使った例がいくつかみられた。胡椒も一時期、うどんの薬味として使われたことがあるが、唐辛子の普及により廃れたが現在でも近畿などでは胡椒が用いられている。その唐辛子はかなり普及し、日本独自のブレンド香辛料である七味唐辛子も登場したが、これらはいずれも風味付け程度の少量の利用にとどまった。

大正時代の頃になるとカレーライスを食べさせる店などが少しずつ出来てきて、刺激の強いカレーの味覚も少しずつ日本人の知るものとなっていった。また、カレー粉はいち早く家庭に普及したブレンド香辛料である。

第二次世界大戦後は生活の洋風化がすすみ、様々な香辛料の輸入量も増加の一途をたどった。高度成長期を経て社会が豊かになると、本格的な欧風料理やいわゆるエスニック料理などを広く楽しむようになり、現在では様々な香辛料類がどこの家庭内にも常備されるようになっている。

 

と、ネットでWikipediaをはじめとした資料サイトを調べるとこのようなことが書いてありました。人類の歴史は香辛料の歴史と言っても過言ではないんですな。では何故そんなに人類は香辛料を求めたのかってそこはもう簡単な話で美味しく食べるためなんです。どのお肉でもいいからただ焼いて塩だけ振って食べてればすぐ解ります。肉って匂いはするし味に飽きるんですよね。一日二日ならそんなでもないけど、それがずーっと続くと思うとゲンナリできます。

 

さて、香辛料の歴史はそれはもう古いものだけど、近代日本における「激辛」というブームはいつからかと言うと、唐辛子みたいな辛い香辛料を昔から使っていたインドや中国、韓国辺りに比べれば、結構新しい話なんですよね。

激辛という言葉が生まれたのも1986年の新語・流行語大賞の新語部門・銀賞を受賞した神田淡平さんの「激辛煎餅」という造語が発祥なんです。なんかもっとずっと昔からありそうな激辛という言葉ですが、誕生してからまだ35年程度しか経っていないんですな。意外。

 

そして、わたしが初めて激辛を食したのは小学校からのお友達である衣紋掛けと、今でも山形に本店があり今でも仙台に支店がある「鬼がらし」というラーメン屋さんに行った時の事でした。衣紋掛けというのは過去の記事に出てくるのですが、

14歳のベクトル

上記の記事の通り、衣紋掛けはその性格上結構何でもかんでもこじつけてバトルを仕掛けてきます。鬼がらしというラーメン屋さんは魚介系の味噌ラーメンのお店で、味噌ラーメンの辛さがノン辛・小辛・中辛・大辛・最上級に辛い超辛から選べるのですが、衣紋掛けが、

 

おい、およ、超辛を食いきれるか勝負しようぜ

 

と、誰も得をしない勝負を仕掛けてきまして渋々承知し食べきったのがわたしの激辛人生のスタートですね。激辛って昨日の記事の通り量があるわけではないので勢いがあればどうにかこうにか食べ切れます。むしろ勢い悪くちまちま食べる方がきつい。で、激辛を食べて思ったのが、

 

わたしは辛いのは好きだけど痛いのは嫌い

 

という事ですね。辛いのが好きってせいぜい刺し身にわさびをたっぷり載せるとか、山岡家のラーメンにスプーン1杯分の豆板醤を入れるとか、うどんに七味唐辛子をさらさらっとふりかけるとか、その程度なんですよね。食材に刺激を少しプラスしてあげる。それ以上辛いとただ痛いだけなんですもの。

 

そんな事を言いながらわたしは定期的に世間で激辛と呼ばれる食べ物を食べてるんですよね。CoCo壱番屋の10辛カレーとか蒙古タンメン中本(お店)の北極とか…

 

昔食べた蒙古タンメン中本の北極。この上に冷やし味噌って言うのがあるんですよね…

そんな激辛人生の中で、家で食べる激辛は間違いなく昨日のペヤングが一番辛かったけど、お店で食べて一番しんどかったのは「ドラゴンレッドリバー」の世界一辛い担々麺ですね。結構前に食べたのですが、これがもうやばかった…

かつて仙台のPARCOの中に店舗があって、今は紅虎餃子房になっているんですがね、その世界一辛い担々麺がこの世のものとは思えない辛さという事だったので食べに行ってみたんです。で、その時の様子をちょっと書いてみますが、お店に着いてラーメンを注文して出てきたのが、

 

 

 

 

 

 

 

なんぞこれ…

 

 

何が…この黒い物体は何…??とよくよく見ると、どうもこんがりローストした唐辛子のようでして…それが丼一杯いらっしゃるようでして…

 

とりあえずスープ、麺と食す。ええ、見ての通り辛い。って言うか痛い。痛いというか激痛。これは食べては行けないと身体が拒否する感じの味…それでいて、花山椒の類が特盛トッピングのようで、酸っぱい上に舌が痺れる…そりゃ食べる前から一応は予想していましたよ、世界一辛い担々麺ですから。でも、その予想の遙か上を行く破壊力…このラーメン、辛すぎて痛すぎる上に痺れているので水を飲むと口の中が悪化するまさに地獄。明らかにこちらの味覚を潰しに来ているじゃないか…

しかし、負ける訳にはいかない、やってやろうじゃないか!と麺をすするついでにロースト唐辛子を5,6本かじってみた。

 

 

 


ごめんなさい。

 

やっぱり煮ようが焼こうが唐辛子は唐辛子。口の中に広がる絶望により体中から変な汁が噴き出す。困ったもんだ。ちなみに余談だけど、このロースト唐辛子は食べないで下さいとメニューには書いてあった。ならば何故丼の上に鎮座させるのだ…困ったもんだ。

まー箸が進まない、ひたすら進まない中、どうにか自分を騙しつつ、ちまちまと食べ続けるわたし。辛いものは勢いが大事なのに勢いをマリオカートの青甲羅の如くぶっ潰してくる痺れ…途中、てかこれを食べたからって何になるんだ…てか、食べてる側から胃に異変が起きてないか…ちょっと食べるのやめてしまおうかとひたすら自問自答を繰り返す。そんな事をしていたら、

 

 

 

 

 

ここまでは来た。なんとかかんとか麺とスープは完食。残るはメニューに食べないで下さいねと書かれたロースト唐辛子のみ…うーん、食すか、食さないか…これがあったら完食とは言い切れないのではないか…とりあえず、さっき食べたロースト唐辛子の中にはずれの激辛野郎がいただけで悶絶したのかなぁと、確認の意味を込めて一本丸かじり。

 

 

 


ごめんなさい。

 

まぁ、これは大人しくメニューにしたがった方がいいだろうと。身体が全力で拒否しています、唐辛子を丸かじりすると体が震えるんです。止めたくても震えが止まりません…そんな訳で、完食と言うには微妙ですが、とりあえずわたしは世界一辛い担々麺を食べきったのでした。

 

仙台のドラゴンレッドリバーは残念ながら無くなってしまいましたが、系列の紅虎餃子房の中にはまだこの世界一辛い担々麺を出しているお店があるようなので気になった方は食べに行って下さい多分後悔しかしないけども。というか、紅虎餃子房ってメニューがほぼ同じで店名だけ違うって事多いですよね。不思議。

 

と、まぁこんな感じで定期的に激辛に挑戦しては「わたしは辛いものは好きだけど痛いのは嫌い」を思い出して後悔します。毎回です。食べたことにも後悔をしますが、昨日も書いた通り激辛は、

 

入口が地獄なら出口も地獄

 

ですからね。激辛を食べた後は100%お腹が壊れます。そして出口が激痛によって汚染されます…トイレで冷や汗をダラダラ流すことになるのです…

そんなわけで昨日のダメージを誤魔化すためにたらたらと激辛の記事を書いてみました。なんでこんな毎度毎度口内もお腹もお尻も痛い思いをするのに、また激辛を食べてしまうのか…答えは、

 

 

 

 

 

 

バカだから

で、しょうね笑。もう今日は一日中お腹が痛いだろうおよがお送りしました笑

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