酸味辛味時々塩味

 

仙台市若林区大和町にある、今月で閉店してしまうラーメン大吉に行ってきました。トッピングネギが売り切れになっているのでこってり味噌チャーシューをオーダー。やっぱりランチタイムはライス無料でした。チャーシューって普段あまり食べないのですが大吉のチャーシューはとろけるタイプでご飯によく合い美味でした。

 

ラーメン屋さんの場合一説によると1年で約40%、3年で約70%、10年で約90%のお店が閉店してしまうのだそうで、飲食業界の中でも特に当たり外れのでかいジャンルがラーメン屋なのです。当たればでかいけど外れればすぐ閉店しなければならない厳しい業界です。

 

そんな中20年以上も営業してくれたラーメン大吉さんはやっぱり偉大ですよね。昼時に行ったのですが、名残を惜しむ様に沢山の人が食べに来ていました。ほんと、残念ですねぇ…

 

出会いがあれば別れもある。惜しくも閉店して食べれなくなったラーメンの思い出ってやっぱり結構ありまして、今日はそんな閉店したラーメン屋さんでも珍しいパターンのお話です。

 

 

今からおよそ20年前、仙台市太白区郡山という地域ー今はハーレーダビットソンのお店ができた辺りにある時うまいラーメンショップうまい(以下、ラーショ)ができました。ラーメンショップといえば仙台だと看板にパンダが描かれた「元祖ラーメンショップ」の方が先進的だったのですが、その頃から「うまいラーメンショップうまい」も郊外でちょくちょく見かけるようになってきました。

 

郡山のラーショは他のラーショと同じくネギラーメンがウリでしたがもう一つ看板ツートップとしてつけ麺を推していました。

 

そのつけ麺の味が面白くて、まず酸っぱいが来てその次に辛いがやってきて最後にしょっぱいが現れるんです。その不思議なスープに極太の香り高い麺をくぐらせていただきます。そして麺を食べ終わるとワカメを入れてスープ割をしてもらえてそれがまたおいしい。最初はふーんこんな味なんだーくらいで食べていたんですが、食べて数日経つと強烈にまた食べたいなぁって思ってしまう味なんです。ラーメン二郎なんかにありがちないわゆる「中毒」になる、ドハマリしてしまう味だったんです。

 

そんなわけでわたしはそのラーショのつけ麺にドハマリしまして、数年間ちょくちょく通っていたんです。ここのラーショ、あまり大きくない店内で訪れる人ものんびり食べるような空間ー店内には漫画も結構揃っていてわたしは「ナニワ金融道」を全巻読破しました。味もいいし雰囲気もいい、わたしはラーメンはこだわりにこだわった匠の技、それで大行列のお店より、だらだら漫画でも読みながら食べれるようなお店のほうが好きですからね、それはもう天国のようなお店でした。

 

そんな天国のようなラーショに通っていたある時、店内に閉店のお知らせが。理由を尋ねると一身上の都合で地元に帰るんです、なんて言っていました。ふーんそっかぁそれは残念居心地がいいのになー…この時はそのくらいにしか思っていなかったんです。

 

そしてラーショ閉店。そこから1日経ち2日経ち…1週間くらい経ったときでしょうか。

 

 

つけ麺食いてええぇ!!

 

そうです、中毒のモノを断った時に現れる禁断症状に襲われました。居心地のいいラーメン屋さんはそれなりに知っていましたがまー酸っぱくて辛くてその後に塩味がやってくる極太のつけ麺なんて無いんですよ。代替品がない。当時のつけ麺と言えば大勝軒みたいな甘酸っぱいやつか、めんつゆみたいな冷たいタレにつけて食べるざるラーメンくらいしかありませんでしたし。こうしてわたしは失われたつけ麺テクノロジーを求めて長きに渡りラーメン屋を彷徨うことになったのです。

 

まずは県内にあるラーショを片っ端から訪れてみました。ひまわりの丘近くの三本木にあるラーショのつけ麺はスープはさすがに近い感じがしたのですが肝心の麺がラーメンのと同じく細麺…一応元祖ラーメンショップも全部行ってみたのですがこちらはラーショとはやっぱり別なんですかね、そもそもネギラーメンじゃなくて「南蛮ラーメン」ですし。もちろん元祖ラーショもいい感じに落ち着けて好きなのですが、求めていたつけ麺はありませんでした。

 

そうこうしていると、世間ではつけ麺と言えば太麺で濃厚なダブルスープで超有名な東京の名店「六厘舎」のようなスタイルがブームに。ますます酸っぱくて辛くて時々しょっぱいつけ麺は見つかりそうもなくなってしまいまして…

 

そうやって苦しむこと数年。ついにわたしはラーショのようなつけ麺を見つけるのです。

 

 

我らが山岡家

 

山岡家自体は結構前からぼちぼち通っていたのですが、当時わたしは山岡家と言えば「特製味噌」ってもう決まっていまして、いつぞやも書いたわたしの悪い癖「同じものをずーっと食べ続ける病」のせいで特製味噌ばっかり食べていたんです。それである時、全然知らない人がつけ麺を食べているのを見てあれ、このつけ麺よく見たらラーショのつけ麺に似てるなぁって思ったんです。それで頼んでみると…

 

酸っぱくてしょっぱい!そして太麺!!ラーショよりこってりしているけどわたしが愛したラーショの味にかなり近い!辛味はないけど卓上の豆板醤を入れればかなり好みの味になる!と気づきましてそこからはもう山岡家のヘビーユーザーですね。不思議なもんでそれからはつけ麺と普通の醤油ラーメンばっかり山岡家で頼むようになってました。あんなに食べていた特製味噌はごくごくたまにオーダーするくらい。そのくらい山岡家の醤油味が体に合ってしまったのでしょう。

 

そんなわけで「ラーショつけ麺問題」も山岡家のおかげで無事に解決し、わたしも30代を迎えたある時、ネットでラーメンブログを眺めていたんです。どこか美味しいところないかなーくらいで見ていると記事なる記事が。タイトルはラーメンショップのつけ麺とある。内容が、

昔郡山でラーメンショップを行っていた店主が天童でラーメンショップを移転オープンをさせて…

 

えっ!

 

と、言うわけで、

 

それからはちょくちょくラーショ天童店に食べに行っているおよです。先日も行ってきました。郡山店閉店から時差はあっただろうけど、移転オープンだったのか…というかこれもわたしの悪い癖でツメが甘いんですよね。店主さんはそういえば山形に帰るって言っていたので、もっとまめにネットの、特に山形のラーメン情報をチェックしていればもっと早くたどり着けたのかもしれませんが、宮城県のラーメンばっかりネットで見ていたからそりゃわかりませんわね…たまたま天童ラーショを記事にしてくれたブロガーさんには心から感謝しております。(後で気づいたのですが天童店は昭和55年創業との事なので移転とはまた違う感じの様でした。一回外に出て帰ったみたいな形ですかね)

 

 

メニュー。もちろん普通のラーメンもウリのネギラーメンもネギ味噌ラーメンもあるけどわたしはつけめん!とにかくつけ麺!20代の時は特大ばっかりでしたが、30代なので少し控えめに大にしてます笑

 

 

 

お待ちかねのつけ麺。あの時と変わらず酸っぱくて辛くてしょっぱい…大で多分3玉分の麺だけどあっという間になくなってしまう。山岡家のつけ麺と見比べてもらうとわかるんですけど、どことなく雰囲気が似てますよね(主に丼が青いところとか)。山岡家の方は結構トッピングしちゃってますが。

 

 

食べ終わった後の割りスープ。やっぱりワカメを入れてもらえることにいちいち感動する。

 

山形ってラーメン消費量日本一だけあって美味しいラーメン屋さんはたくさんあるんですけどわたしはラーショにいってしまいますねぇ。もちろん強烈な思い出もあるんですがやっぱりこの酸味辛味時々塩味を楽しめる唯一無二の味は体が求めてしまうんです笑。

 

ラーショって東日本を中心に展開するフランチャイズ型のチェーン店ですけど、結構店舗運営の縛りがゆるーいらしく、お店によって結構味に違いがあります。他のラーショも漫画を読みながらゆっくりできて美味しいですがわたしは天童ラーショを一押しします。ラーショマニアの方は是非食べてみて下さい笑

 

そんなわけで、閉店してしまってもう食べれないと思っていた味にしばらくしてからまた出会った話でした。こういう事はあんまりないですからねぇ。あとは昔中山にあった「中華仙台そば」と電力ビル裏にあった「金八改め1.5番丁」とか、また食べたいラーメンはいくらでもありますから。まぁ無くなるお店もあれば新しいお店もできますからね、また気に入ったラーメンを見つけていきたいと思います。そんな味へのこだわりはわたしにはないけど笑

 

ラーメンショップ天童店

https://tabelog.com/yamagata/A0605/A060501/6000098/
食べログさんへのリンクです。

酸味辛味時々塩味” に対して6件のコメントがあります。

  1. ピンバック: 9月のラーメン | ozfare
  2. ピンバック: 2021年7月のラーメン
  3. ピンバック: 2022年12月のラーメン

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です