メイドイン売りたい人

お正月の終わりを告げるどんと祭が終わってから最初のイベント、2月に入ってすぐ節分があります。皆様、今年は恵方巻きを食べましたでしょうか?わたしはエビが恵方巻きの中に入っていると大変なことになるので、毎年かわりに納豆巻きか鉄火巻を食すおよです。今年は納豆巻きでした。

 

さて、この恵方巻き。節分の日に行われる行事として定着していますが、よくよく考えるとわたしが子供の頃の節分って誰かが鬼の面をかぶってその鬼に豆をぶつけるイベントだったわけで、のり巻きを食した記憶はないんです。ではいつから恵方巻きを食べるようになったのか調べてみると、1989年にセブンイレブンの人が大阪には節分に太巻き寿司を食べる風習があると仕掛け、1998年からコンビニづたいに全国に広がり2000年代以降に急速に広まったそうです。大阪発祥と言われていますが、2000年以前に恵方巻きと呼ばれていたという文献類は見つかっていないとの事。

 

現在では節分の夜に、恵方に向かって願い事を思い浮かべながら丸かぶりし、言葉を発せず無言で一気に食べきると願い事が叶うとされています。つまり、20年くらい前にセブンイレブンの人が節分にはこういう風習が(あるかどうかわからないけど)あるよといい太巻きの販売促進を仕掛けたのがはじまりなんですよね。そりゃアラフォーのわたしが子供の頃には無い文化ですわ。

 

ただ、わたしは別にこの恵方巻きが販売促進のために仕掛けたものだから悪いものだとは思いません。のり巻き自体まずいものではないし、なにより節分の時に豆を家の中に撒き散らして最終的にじいさんにブチ切れられた記憶があるので、部屋の掃除が大変になるよりは恵方を向いて家族でのり巻きを食すほうが楽ですよね。

 

そもそもこういうモノが売れるイベントっていうものは仕掛け人がいるもんですよね。というわけで、今回は恵方巻きから年末までのイベントを思いつく限り調べてみました。

 

まずはバレンタイン。2月14日に行われ世界各地でカップルの愛の誓いの日とされていますが、日本では1958年頃から流行しだして流通業界や製菓業界によって販売促進のために普及が試みられて、1970年代後半に女性が男性に対して親愛の意味を込めてチョコレートを贈ると根付いたのです。チョコを送ると考案した人は諸説あるようなので置いておきまして、平たく言えばメーカーがチョコを売りたいから流行らせたものなのです。

 

バレンタインデーに伴ってそのお返しのホワイトデー。毎年3月14日にチョコのお返しのためクッキーやマシュマロを男性から女性に贈るイベントで、ホワイトデーも諸説色々ありまして、いろんなメーカーが起源を主張しているそうですが、やはり1970年後半くらいからぼちぼち広がりだしたイベントだそうです。日本以外だとアジアの一部の地域で同じようなイベントが行われています。バレンタインは世界規模ですがコチラはそうでもないのか。現在ではお返し品がハンカチなど食べ物じゃないモノを送る人が増えたそうです。

 

土用の丑の日にうなぎ。土用の間のうち十二支が丑の日のことなので年に大体6日土用の丑の日はあるのですがうなぎを食すのは主に夏の土用の丑の日を指します。夏の土用の丑の日は平均1.57日、つまり1日のときもあれば2日ある年もあり、2日ある年は一の丑、二の丑と呼びます。

これも諸説ありますが、土用の丑の日にうなぎを食べる定説とされているのは、時は17世紀の日本。冬は脂が乗って美味しいうなぎだけど夏場はやせたうなぎが売れないと、商売がうまくいっていないうなぎ屋がなんとかしてうなぎを売りたいと平賀源内に相談したところ、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを進められ、やってみたらうなぎ屋は大繁盛。それをみた同業が真似をしたというのが有力な説だそうで。一説によると当時、丑の日に「う」のつく物を食べると夏負けしないという風習があったそうで、それで土用の丑の日のうなぎは大ヒットとなって現代まで残る文化となったのです。他にも梅干しとかうどんとかでも良かったそうだけどうなぎの輝きっぷりにその文化は消えてしまいました。

 

ここ数年、毎年渋谷が取り上げられるハロウィン。10月31日に行われる祭で古代ケルト人が起源と考えられ、元々は収穫祭と悪霊を払う宗教的な意味が込められた祭で、現代では特にアメリカ合衆国の民間行事として定着しています。トリックオアトリートのセリフは昔から聞いたことがあったし、子供がお化けに変装して近所の人からお菓子をもらう祭だったのが、日本では2000年以降に菓子メーカーや広告代理店が市場参入し大規模コスプレイベントに魔改造され夜通し大騒ぎするイベントとなっています。

SNSの普及と共にそのコスプレを個人でも簡単にお披露目できるからハロウィンは流行ったとされています。その若者の騒ぎっぷりに賛否両論ありますが、たしかにゴミをその辺に散らかしたり問題も多々あります。しかしわたしは別にこういうイベントがあってもいいと思います。自分が参加したら人酔いですぐぶっ倒れると思いますが、なんにしても消費が進めば経済が回るわけですし、経済は血液と同じだから滞ればあんまりいいことありませんし。

 

これが終わればもう今年も終わりだなーと感じるクリスマス。クリスマスの過ごし方は各国いろいろありますし日本でもいろいろでしょうからそれは置いておいて、北米では七面鳥のローストを食べるのに日本ではチキンを食べる風習があります。これは何故かと言うと1970年に日本に初出店したケンタッキーフライドチキンが、日本では七面鳥が手に入りづらいからチキンでクリスマスをお祝いしようとしたことからとされています。

また、当時日本で手に入りづらかったまるごと七面鳥のローストやチキンを唯一提供できたのがケンタッキーフライドチキンだったため、クリスマスに外人さんがケンタッキーフライドチキンに買いに行っているのを日本人達が見て、なるほどケンタッキーフライドチキンでクリスマスを祝うのかと思ったともされています。どのみちケンタッキーフライドチキンが日本に出店していなければここまでクリスマスにチキンを食べるという風習は流行っていなかったのかもしれません。

 

ざっくり調べてみた結果なので、気になった方はもっとWebなんかで調べてもらえばいいと思いますが、すごい昔からあったイベントなのかと思えばわりと近代のイベントだったり、日本用にイベントがガラパゴス化されていたりするのは、やっぱりモノを売りたい人が仕掛け人となっている要因が大きいですね。ちなみに世界各地で行われていて日本用に改変されてないイベントとしては母の日がありましたね。5月の第二日曜に母親に感謝を込めてカーネーションを贈るというイベントですが、17世紀のアイルランドとイギリスで発祥してからカーネーションを贈る行為は現代まで変わってないそうです。

 

と、言うわけでイベントと仕掛け人のお話でしたがわたし個人的には最初にも書いた通り悪い事とも思いません、率先して参加したいわけではないですがこういうイベントがあってもいいと思います。なんというか、こういうイベントが誰かが仕掛けたものだからと否定する人っているんですよね。でも、そんなこと言ったら大体のイベントが誰かの販売促進からだと思いますし、素直に乗っかった方が単純に楽しいですからね。時の流れには抑揚があった方が楽しいですから。興味がなくても、俺はこんなイベント認めない!と頑なに言い張ってもいいことないですよほんと。自分の心が貧しくなる。

 

他の季節イベントなんかも調べれば結構面白い起源や風習があったりするので、機会があれば紹介します。ちなみに今年はもう過ぎてしまったので、できないのですが冒頭で紹介した節分の恵方巻き。わたしはこれをスーパーの閉店2時間前にだいたい毎年買いに行きます。思いっきり時期物で次の日に持ち越せないからか他の商品にはねいものすっごい値引きをして売られていたりします。今年はタイミングが合わなくてその辺の納豆巻きで我慢しましたが、一昨年は鉄火巻きの太巻きセットで2000円位のものが値引きで250円になっていた所を購入して大満足の結果となりました。

年々ライバルが増えているような気がしますが、まだまだ買えると思いますので皆様ぜひ来年は夜にスーパーを巡って恵方巻きトレジャーハントの旅をおすすめします笑。廃棄よりは安く買って食べたほうがどう考えてもエコですよねぇ。ちなみにコンビニは規約上商品の値引きをしませんのでご注意を。まぁコンビニの廃棄は豚や鳥の餌に加工してリサイクルしているそうですし…

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